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2013.11.11亜麻(Flaxseed)

魚油に替わるオメガ3脂肪酸の供給源として急浮上。オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸(ALA)が豊富

亜麻は、数千年も前から栽培されているアマ科の植物で、ローマ時代の博物学者、プリニウスは紀元1世紀に“亜麻の下剤、治療薬としての効用”を記している。原産はエジプトと考えられている。現在は、ヨーロッパ、南米、アジア、合衆国の一部など世界各地で栽培されている。薬用で使われるのは、亜麻種と亜麻からとったオイルのみ。

亜麻種オイルはつぶした種から抽出したオイルで、ゴマ油より多少色が濃い。オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸(ALA)を豊富に含む。オメガ3脂肪酸は、魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が良く知られ、トリグリセリド値を下げ血圧を正常に保つ。また、動脈内の凝血防止、心臓発作や卒中のリスク低下、関節炎の緩和など、様々な効能が報告されている。

米食品医薬品局(FDA)が、妊娠適齢期の女性に対し、魚に含まれる水銀摂取の弊害を指摘したことから、魚油に替わるオメガ3脂肪酸の供給源として亜麻に関心が集まった。

亜麻種に関する研究によると、挽いた亜麻種で作ったパンを1日3切れ(含有量15g)食べると、とくにLDL(悪玉)コレステロール値が低下し、血小板の粘着性が減少することが判ったという。

亜麻種と心臓病の関連性を裏付ける研究も多い。Atherosclerosis誌(1997年)によると、アテローム性動脈硬化に罹ったウサギのエサに亜麻種を添加したところ、血管のプラーク蓄積が50%減少したことが分かったという。また、Journal of Human Hypertension(1990年)に掲載された研究では、軽度の高血圧症の男性数10人に亜麻種オイルを与えたところ、血圧がいくらか下がったことが明らかになったという。

’99年12月、ロサンゼルス・タイムズ紙は亜麻種について、「亜麻の種には、α-リノレイン酸のほかに、フィトケミカル―主にlignans(リグナン)―という重要物質が含まれている。また、食物繊維も多い。抗酸化力を持つことから、がん予防への期待も高まる」と、その有用性について取り上げている。

リグナンは、大豆イソフラボンに似たホルモンバランスを調整する作用がある。これまでの研究で、乳がんや子宮内膜症、前立腺がん、結腸がんへの有効性が確認されている。こうしたことから、WHO(世界保健機構)やNational Cancer Instituteは亜麻種を“スーパー食品”と評価している。

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