インド古代医学・アーユルベーダの貴重ハーブ 。抗炎症、鎮静作用など、さまざまな症状・疾患に幅広く使用
アシュワガンダ(Withania Somnifera)はコショウ属の低木で、緑あるいは黄色の花を咲かせ、インドニンジン、ウィンターチェリーなどとも呼ばれています。インドおよびアフリカが原産ですが、現在はアフリカ、地中海などでも広く生育しています。
インドの古代医学、アーユルベーダでは、3000年以上に渡り重要なハーブとして扱われてきました。アシュワガンダは、肝臓強壮、抗炎症、鎮静などの作用で、気管支炎や喘息、潰瘍、不眠症などの症状・疾患に幅広く使用されています。
アシュワガンダの根には、withanolideと呼ばれるステロイドアルカロイドおよびステロイドラクトンが含まれており、これが有効成分と考えられています。
アシュワガンダからは、アルカロイド12種、withanolide35種、sitoindoside数種が抽出されています。とくにwithanolideの主要物質、withaferin Aおよびwithanolide Dが薬効の要とされています。
Withanolideは重要なホルモン前駆体として作用し、生理ホルモンに影響を及ぼすとされています。また、アシュワガンダは抗酸化作用を持つことも指摘されている。
アシュワガンダは様々な症状・疾患への有用性が明らかになっていますが、中でも老化防止作用に注目が集まっています。50~59歳の健康体男性101人を対象にした研究では、アシュワガンダを1日3g、1年与えたところ、血中のヘモグロビン、赤血球、髪の毛のメラニン値の改善が報告された。さらに、性的機能改善が71.4%で見られたといいます。
性的改善については、Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine誌2014.6月号でも、アシュワガンダの根抽出物は男性の精子数を増やす、と報じています。
インドの研究者チームが、精子数が少ない男性46人に、アシュワガンダ根抽出物サプリメント(3回投与、675mg/日)、またはプラセボを90日間投与した。その結果、アシュワガンダ投与群は、テストステロン値が17%増加したことが分かった。また、精子数が167%、精液量は53%、精子運動性が57%それぞれ増大したといいます。
また、免疫システムや血液生成の点でも、有用性が報告されています。動物を使った研究では、アシュワガンダの抽出物粉末をマウスに与えたところ、白血球総数が増進したことが分かった。また、遅効性過敏反応を抑制しマクロファージの食細胞作用を増大させたことが確認されています。
この他、不安感およびうつ病に対する有効性も報告されています。ラットにアシュワガンダを1日1回、5日間与え、薬剤のベンゾジアセピン投与グループと比較した。結果、どちらも臨床不安感の脳内マーカーを減少させたことが分かったが、アシュワガンダは抗うつ作用を見せたといいます。