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2016.1.25リンゴ

高い抗酸化力で、各種疾患への有用性が期待。肺がんや白内障のリスク低下にも貢献

野菜や果物の色素成分、フラボノイドの持つ抗酸化力や抗炎症作用により、心臓病やがん、白内障など各種疾患への予防効果が期待されています。

近年、こうした果物の中で、特に注目されているのが「1日1個で医者知らず」といわれるリンゴ。そしてその中に多く含まれるフラボノイドのケルセチンです。

心臓病、特に動脈硬化の一要因として、動脈壁の平滑筋細胞の過剰増殖が考えられていますが、ケルセチンはこの細胞の過剰増殖を抑制することが報告されています。

Surgery誌(2002年)に掲載された研究によると、ケルセチンは血管の平滑筋細胞を「ゼロ増殖」の状態にして、異常な増殖を防ぐといいます。

ケルセチンとがん予防の研究も多く、リンゴを最も多く食べた被験者グループは最小グループと比べ、肺がんの罹患率が58%低かったという報告もあります。

また、前立腺炎への有効性も明らかにされています。カリフォルニア大学ロサンゼルス校らの研究者グループが、前立腺炎患者15人にケルセチン(500mgを1日2回)か、プラセボを1ヶ月間与えたところ、ケルセチングループは症状が平均40%減少したことが分ったといいます。

また、白内障の危険性を下げるという報告もあります。紫外線の影響は皮膚ばかりでなく目にも表れますが、目へのダメージが放置されたままだと、白内障の要因となります。紫外線、特にUVB波は目のレンズの構成物質、プロテインを損傷し、白濁を引き起こすとされています。

ある研究で、ケルセチンが、白内障を引き起こす一因と考えられるソルビトール(糖)の蓄積を促す酵素を封じ込めることが明らかにされています。

また、喘息への有効性についても、ケルセチンは、気道に起こっている炎症を軽減し、ヒスタミン分泌を防ぐことで、喘息の症状を和らげるとされています。

この他、ケルセチンはビタミンCやチェリーフルーツエキス、魚オイルなどと併用すると、尿酸値を低下させ痛風に高い有効性を発揮すること、胸焼けからの回復を早めるなどの効能も報告されています。

さらに、リンゴには皮などに多く含まれるペクチンの効用もよく知られます。NIS Labs研究者チームが、AppleActivサプリメント(6種のリンゴの皮の乾燥粉末)の関節の可動域などに対する影響を調査。

48歳から73歳の、可動域が減少し慢性疼痛を伴う12人を対象に、被験者にAppleActivサプリメントを4.25g/日、12週間与えたところ、サプリメント投与により、背中の可動域及び他の関節の回転が改善されたことが分かった。また、疼痛スコアの改善も患者から報告されたといいます。(Journal of Medicinal Food誌2014年10月号)

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