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2016.2.21ラズベリー

女性特有の疾患の対応ハーブとして人気。がん細胞のアポプトシスなどエラグ酸の有効性明らかに

ラズベリーはラテン名をRubus idaeusといいヨーロッパから北米に原生しています。甘くて赤い実は、フルーツとしてジャムやジュースで有名。この実や、葉、根が、古くから消化不良や妊婦の体調不良への治療に使われています。

中でも、主にラズベリーの葉の部分が民間療法で使われ、やけどや傷、下痢、胃腸障害、筋肉痛などの緩和に用いられています。

特に、女性特有の病気や重い生理や妊娠時の不快な症状緩和に使用されたことから女性のハーブとして人気が高いです。

ラズベリーには、カルシウムやマグネシウム、鉄、リン、カリウム、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維などが豊富に含まれます。1カップのラズベリーは、食物繊維が1日の必要量の32%、ビタミンCなら40%、葉酸10%が補えるといわれます。

他にも、ケルセチンやタンニンなどのフラボノイド、エラグ酸などが活性成分として作用しています。さらに、alkaloid fragrineが含まれ、腰の筋肉をリラックスさせ子宮の健康促進に役立つとされています。

またラズベリーに高濃度含まれるエラグ酸は、がん予防あるいは治療の有効性が期待され、研究が進んでいます。エラグ酸は自然のフェノール物質で、抗がん性、抗突然変異原作用があるといわれています。

エラグ酸は植物の中にはellagitanninsという形で存在し、加水分解により生じます。エラグ酸は、トマト、カリフラワー、ブロッコリー、ストロベリーなどに含まれていますが、特にレッドラズベリーに含まれる濃度は高いといわれています。

エラグ酸はヒトの異常な結腸細胞増殖を遅らせ、乳頭腫ウィルスに感染した細胞の成長を抑制します。乳頭腫ウィルスは子宮頚がんに関連するといわれるものです。

また、結腸のがん細胞のアポプトシス(細胞死)を促進することも確認されています。

エラグ酸の抗腫瘍能力を調べる動物研究では、肺に腫瘍を誘発されたマウスにエラグ酸を与えたところ、腫瘍の重複度が減少した。また、別のマウスを使った研究では、腫瘍を発生させたマウスに300nmol与えたところ、肺にできた腫瘍の数が44~75%減少したことが分かったといいます。

さらに、エラグ酸は、病変の前がん状態と物質の新形成の両方を25~50%抑制したともいわれます。

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