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2018.1.1ケイ素

ヒトや動植物の成長や発育に不可欠。高齢者の関節炎などに有効性を示す

ケイ素は、地球上、特に地殻中に豊富に含まれる(全体の28%を占めると考えられる)ミネラルです。

ケイ素は自然の中では二酸化ケイ素 (SiO2)の形で存在し、シリカ(silica)とも呼ばれ、1970年代に人間の食生活に欠かせない栄養素と認められています。

1970年代始め、Edith Carlisle博士を始めとする研究者が鶏およびラットにケイ素が欠乏したエサを毎日食べさせたところ、鶏の成長が37%低下したことが分かっています。また、頭骨や関節に異常が発生したことも報告されています。

1789年にはデンマークの学者のペ・アビリガルトが海綿虫からケイ素を分離し、動植物内での存在が明らかになっています。

人間に関しては、大動脈、気管、腱、骨、皮膚、関節などにケイ素が高濃度検出されていることから、骨や結合組織の形成などに深く関わると考えられています。

1997年、ベルギーのUniversity of Antwerpで行われた研究では、被験者にケイ素サプリメントを少量与えたところ、血清中のケイ素濃度が70%増加し、皮膚のコラーゲン値も12%上がったことが明らかといいます。

こうした結果から、ケイ素は細胞外基質成分の形成やカルシウムの代謝に関与していることが示唆されています。

関節関係では、特に高齢者の関節炎などに有効性を示すとされています。また、コラーゲンやエラスチン、軟骨などを生成する酵素を活性化することも確認されています。

さらにケイ素は、コンドロイチンサルフェイトと呼ぶGAG’s(グリコサミノグリカン)分子と結合し関節や結合組織を作る働きもあることが示唆されています。

動物を使った研究では、シリコンやコレステロールを与えると、動脈を保護する有効性を示したことが報告されています。

また、加齢によるアルミニウム蓄積の弊害も解消する働きが報告されています。老化によって脳にアルミニウムが蓄積すると、アルツハイマー病を始めとする様々な痴呆を引き起こすことがこれまでの研究で示唆されています。

Alzheimer’s Foundation of Californiaが支援して行われた研究では、人間の70歳に相当するラットにケイ素の欠乏したエサを毎日与えたところ、脳にアルミニウムの蓄積が起こり、その後ケイ素を豊富に与えたらアルミニウム濃度が目に見えて下がったといいます。

その他、ケイ素は皮膚や爪の健康、再生にも有効性を示すことが研究で確認されています。1979年に行われた研究によると、摂取されたケイ素の50%は尿と一緒に排出されてしまうことが判明しています。

ケイ素は様々な食品に含まれています。豊富な供給源としては、ビールやコーヒー、水など。また、穀類、野菜、米や麦の殻、オーツ、サトウダイコン、サトウキビ、アルファルファなどの未精白穀類にも豊富に含まれます。

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