特定非営利活動法人

HOME > 「食」のトピックス > 健康食品GMP認証の現状と課題

2021.5.12健康食品GMP認証の現状と課題~ifia2021セミナー

2021年5月12日(水)~14日(金)、パシフィコ横浜にて「ifia/HFE JAPAN(国際食品素材/添加物展・会議)」が開催された。同展示会セミナーより増山 明弘氏(日本健康・栄養食品協会 健康食品部長)の講演「健康食品GMP認証の現状と課題」を取り上げる。

健康食品の製造工程管理(GMP)


消費者に安全安心な健康食品を届けるために法令遵守を徹底することは当然のことである。

その法令の範囲は「食品衛生法」「食品表示法」「薬機法」「景品表示法」「健康増進法」と複数に及ぶ。

商品の販売に至るまでには研究、開発、製造、販売とそれぞれのステップが独立しながら全体として存在していることがほとんどである。

基本的にはそれぞれのステップで品質の確認を行うことが重要で、中でも本議論の中心となる「GMP」とは製造工程に置けるルール、と増山氏。

「GMP」の現状を理解する前に、いわゆる「平成17年通知」について理解しておく必要がある。

これは厚生労働省がいわゆる健康食品(錠剤・カプセルなど)の「原材料の安全の確保」と「製造工程管理(GMP)による安全の確保」を事業者がより自主的に行うように求めた通達のことである。

さらに平成20年にはこれに加え「第三者認証制度」によって、この「平成17年度通知」の実効性を確保するように求めたという背景がある、と増山氏。

GMPの3原則

この第三者機関は厚労省が支援する認証制度協議会が指定・監督する機関で、各事業者が適切に自主的な取り組みを行なっているかを第三者機関がつど確認するというスキームである。

第三者機関を加えることで事業者の取り組みを検証することや、透明性を確保することが可能となる。

GMPはGood Manufacturing Practiceの頭文字に由来する言葉で「いつ、誰が製造しても常に一定の品質の製品を作るためのルール」を意味している。

GMPの3原則は「人為的間違いの防止」「汚染・品質低下の防止」「一定の品質確保」であり、ソフト面では「管理組織の構築及び作業管理手順を作成し、実施、記録保存すること」が求められ、ハード面では「構造設備・製造機器の拘置機」が求められている。

日健栄協で「GMPガイドライン」

日健栄協では「GMPガイドライン」に沿って、ソフト面とハード面から、専任の調査員が実地調査を行い、調査結果を元に有識者による審査会で審査を行った後、問題ないことが確認できれば健康食品の製造所として認証し、認証マークを授けている。

さらに、3年ごとの更新制度や毎年の中間調査を行い、継続してGMPガイドラインに則っているかを確認している。

現在、国内のGMP認定工場は年々増加しており(平均すると年間10工場程度プラス)、また先に取得した製造所も15年以上継続しているなど、認定取得に対する意識が高まっているという。

大手だけでなく、従業員数30名以下の中小規模製造所でも新規認定が増えており全体としては良い傾向で、問題があるとすれば、認定工場数が年々増加していることに伴い問い合わせ件数が増えていること。

それに伴う認定のスピードアップが求められていることであるが、ミスがあってはならないため、時間がある程度かかってしまうこと、と増山氏。

GMPの認知向上が必要


また、申請する側には、やはり準備不足が見られることや、特に健康食品の場合、企画から製造販売までの流れをそれぞれ別事業者が行なっていることが多い。

特に最近はOEM事業により委受託が行われているため、事業者には協働で課題解決に向けた取り組みを依頼する必要がある。

GMP認定工場にはOEM事業を主体で行なっている事業者も多くある。

しかし、委託元の健康食品GMPに対する認識不足や、社内他部門の理解不足、販売部門による食品表示法や景表法の誤認、原料調達部門の原材料や資材の情報開示不足など、それぞれの部門ごとに課題を抱えているケースが多く見られる。

健康食品の品質を確保するために、GMPを取得、あるいは取得済みの工場に製造を依頼することなどが望ましい。

販売や企画、流通の部門だけでなく消費者においても、健康食品の品質確保の必要性やGMPの考え方、GMPの認知向上を業界全体として普及させていく必要があるのではないか、と増山氏。

最新版ガイドラインが発表

近年の動向としては、2018年7月~2019年3月に国民生活センターが行った「市販商品の品質調査及び消費者の実態調査」では、独自に行った崩壊試験(ソフトカプセル、ハードカプセル、素錠、コーティング錠)で100品目中42品目が崩壊しなかった。

それまでGMP認定工場には崩壊試験の実施を推奨してきたが義務化は行っていなかったため、現在は義務化されている。

他にも、最近では食品衛生法の改正(令和2年3月)によって「特別注意を必要とする成分」が4つ(コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、プエラリアミリフィカ、ブラックコホシュ)指定されたが、これらの成分を製造や加工においても、より詳細なGMPチェック項目が加えられている。

このように、常にアップデートしていく必要があるGMPだが、最新版ガイドラインがこの6月に発表されるため、それもぜひ参考にしてほしいと話した。

最近の投稿

「食」のトピックス 2024.6.10

食・色・機能 カロテノイドの魅力と健康への貢献

「食」のトピックス 2024.6.3

レスベラトロール 抗酸化から長寿効果まで

「食」のトピックス 2024.5.30

植物性たん白食品について~その歴史、利用と栄養・生理機能等~

「食」のトピックス 2024.5.27

香料の有用性

「食」のトピックス 2024.5.24

機能性表示食品制度の現状と今後について

カテゴリー

ページトップへ