2022年10月12日〜14日、東京ビッグサイトにて「食品開発展2022」が開催された。食品の主要テーマである健康・おいしさ・安全などを追求するための専門展示会として今年で33回目を迎えた。ここでは出展社セミナーの一つを紹介。
SBIアラプロモ(株)
「5-ALA」とは5-アミノレブリン酸のことで、地球上に36億年も前から存在し、生命の誕生にも深く関わっているとされるアミノ酸のことである。天然のアミノ酸として広く自然界に分布し、ほぼ全ての動植物の細胞に発現する物質でもある。5-ALAは細胞内のミトコンドリア内に存在しエネルギーの発現に大きく関与していることも解明されている物質だ。しかし、この5-ALAは年齢とともに生産量が減少することもわかってきている。また、ストレスや生活習慣の乱れによっても5-ALAは容易に減少する。基本的に私たちは5-ALAをさまざまな食品から摂取することができている。特に肉や魚、緑黄色野菜や発酵食品に5-ALAが多く含まれることがわかってきているので、バランスの良い食事をしていれば摂取できるがそれでも現代人の多くが十分量は摂れておらず、不足傾向にあると指摘。
体内に取り込まれた5-ALAは細胞内で8分子と結合しポルフィリンという物質に変わる。この物質はがん細胞内に蓄積するという特徴を持つためがんの治療薬としても活用されていると説明。さらにポルフィリンは鉄(Fe)と結合しヘムに変わることで、体内では酸素を運搬するヘモグロビンになる。また5-ALAはミトコンドリアを活性する働きも担っている。このような5-ALAの特性から、5-ALAはさまざまな領域への応用が期待され、健康食品分野だけでなく医療分野、化粧品分野、動物関連、肥料事業などにも展開されていると解説した。
5-ALAを機能性関与成分とする機能性表示食品として、すでに「疲労感軽減」「血糖値対策」「睡眠とメンタル」「スポーツ」で商品を展開している。そして今チャレンジしたいと考えているのが「男性更年期」へのアプローチであると紹介。順天堂大学との共同研究で、男性更年期障害がある人を対象に5-ALAまたはプラセボを摂取する二重盲検試験を実施したところ、8週間の連続摂取(1日30mg)で、男性更年期の症状の程度を示すAMSスコアが5-ALA摂取群において有意に減少し、症状の改善が見られたと報告。男性の更年期障害は女性の更年期障害よりも知名度が低くわかりにくいが、働き世代の男性のウエルネスをサポートするためにもぜひ機能性表示食品としての製品化に挑戦したいと語った。
また、長崎大学からは5-ALAを摂取することで新型コロナウイルス(オミクロン株)に対する感性抑制作用が確認できたと報告されており、実際、SBIアラプロモ(株)と提携している医療機関で、コロナウイルスが発症した患者さんに5-ALAの摂取の協力も要請したところ、摂取している患者さんは感染の重症化の抑制や炎症の抑制などの効果が見られたという。機能性表示食品において「免疫」関係の商品開発の期待が高まっているが、細胞試験でNK細胞の活性が報告されているところまできているので、ヒト試験やSRで届出ができるように研究を続けたいと話す。またアンチエイジングに対する効果も期待でき、5-ALAの摂取でコラーゲンやヒアルロン酸の体内合成量が増加することなどもデータとして確認できていて、ショウジョウバエの試験では寿命の延長効果も確認できているという。これらのエビデンスはまだまだ積み上げあていけるので、5-ALAは更なる可能性を秘めた機能性成分であるのではないか、と話す。 5-ALAはOEMによる商品設計も可能だ。また、各事業者が安心して5-ALAを使えるようにSBIアラプロモ(株)では独自の「ALA PLUSマーク」も発行し、類似品などで安全性が損なわれることがないように注意もしているという。複合的に健康と活力をサポートしてくれる「5-ALA注目」にぜひ注目して欲しいとまとめた。