2023年2月13日〜27日オンラインにて食品開発展プレゼンフォートナイト2023冬が開催された。ここでは株式会社セラバリューズのトリプルヘルスクレームが可能な機能性表示食品向け原料に関するプレゼンテーションを取り上げる。
株式会社セラバリューズ
株式会社セラバリューズが機能性表示の届出受理に成功したクルクミンの一種である機能性関与成分「セラクルミン®︎」。クルクミンとしてはじめてのトリプルヘルスクレームが実現し、他社や他製品との差別化につながるのではないかと紹介した。
セラクルミン®︎とは、クルクミン粒子を微細化し凝集を抑制することで水への分散性を高めた特許取得のクルクミン製剤で、かき混ぜることなく水溶液中に安定して分散して融解することで生体での利用とクルクミン血中濃度が高まり、クルクミンが生体に与える効果が発揮しやすくなるように開発された機能性成分だ。「クルクミン」については世界中の研究者が注目している植物由来の機能性成分であり、抗炎症作用や抗酸化作用に注目が集まるが、クルクミンは吸収率が低く生体利用率が低いことが課題であった。セラクルミン®︎はクルクミンや市販のウコンドリンクと比較しても血中動態が非常に高く、また、クルクミン粉末と比較した場合に血中濃度が27倍にもなることを報告。しかもセラクルミン®︎は水によく解けるので錠剤・カプセルだけでなく、飲料・顆粒・グミ・ゼリーなど独自の剤形や配合で使用することができ、他社との差別化が可能になると話す。
セラクルミン®︎で表示できる機能性は「起床時疲労軽減」「認知機能」「肝機能」の3つで、もちろんこの内の2つ、もしくは1つのみを製品の目的や用途に応じて表示することもできる。いずれにせよダブルクレーム・トリプルクレームの表示可能性分は非常に珍しく特徴的ではないか、と話す。もしトリプルクレームで表示するのであれば「本品には高吸収クルクミンが含まれます。本品に含まれているクルクミンは、起床時の疲労感を軽減する機能、加齢に伴い、低下する認知機能の一部である記憶力(日常生活で見聞きした言葉を覚え、思い出す力)と注意力(一つの物事に注意を払い、持続する力)を維持する機能及び健康な人の血中肝機能酵素ALTの健常域でやや高めの数値を低下させる機能が報告されています。血中ALTの値は、肝臓の健康状態を示す指標の一つです。」と記載することができると説明。ダブルクレームであれば例えば「肝機能と起床時疲労感軽減」について「本品には高吸収クルクミンが含まれます。本品に含まれているクルクミンは、健康な人の血中肝機能酵素ALTの健常域でやや高めの数値を低下させる機能が報告されています。血中ALTの値は、肝臓の健康状態を示す指標の一つです。また起床時の疲労感を軽減することが報告されています」と記載可能。シングルクレームであれば例えば「本品には高吸収クルクミンが含まれます。本品に含まれているクルクミンは、健康な人の血中肝機能酵素ALTの健常域でやや高めの数値を低下させる機能が報告されています。血中ALTの値は、肝臓の健康状態を示す指標の一つです。」「本品には高吸収クルクミンが含まれます。本品に含まれているクルクミンは、起床時の疲労感を軽減する記載することが報告されています」と表示することができる。
それぞれのヒト臨床試験の結果についても説明。まず「起床時疲労軽減」については「健康な中高年男女36名を対象に、2群ランダム化二重盲検比較試験を行い、セラクルミン®︎群にはクルクミン90mgを2回/日、プラセボ群にはプラセボ食品を2回/日を摂取してもらい、8週間後にOSA睡眠調査票による評価を実施」したところ、「疲労回復」がプラセボ群と比較して有意に改善したことを報告。「認知機能」については「健康な中高年男女(認知症やうつ病ではない)40名を対象に、2群ランダム化二重盲検比較試験を行い、セラクルミン®︎群にはクルクミン90mgを2回/日、プラセボ群にはプラセボ食品を2回/日を、18ヶ月間摂取してもらい、3種の認知機能検査」を実施。その結果「言語記憶、注意力の指標が有意に改善し、認知症の作用機序と考えられているアミロイドβ、タウタンパク質の結合抑制が見られた」ことが報告された。「肝機能」については「健康な中高年男女62名を対象に、2群ランダム化二重盲検比較試験を行い、セラクルミン®︎群にはクルクミン90mgを2回/日、プラセボ群にはプラセボ食品を2回/日を摂取してもらい、8週間後に血清ALT値を測定」。すると「摂取群はプラセボ群と比較して有意にALT値が低下していた」と報告。
現在、肝機能関連の機能性表示食品は届出件数が39件ほどあり、そのうちの30商品がサプリメントタイプで、クルクミンのSRを提供していることを公示しているのはセラバリュー社のみ。また、機能性関与成分としてクルクミン以外にスルフォラファングルコシノレート、紫サツマイモ由来アントシアニン、越後白雪茸由来ピロールアルカロイドなどがあるが、クルクミンは知名度的にも有意だと話す。起床時の疲労感軽減については、100製品以上の届出が受理されているが、機能性関与成分としてはテアニン(L-テアニン)によるものが88商品以上あり、クルクミンはテアニンとの差別化になりそうだ。認知機能については届出商品が467件もあり機能性関与成分はなんと30種類以上もある。イチョウ葉エキスやプロズマローゲン、GABAなどがよく知られるが、クルクミンに対する期待も高く現在11製品があると話す。
セラクルミン®︎は従来のクルクミンと異なり水によく溶けるので、剤形を選ばずあらゆる食品に添加することも可能だ。もちろん安全性試験も完了している。しかもSRの提供も可能。クルクミンを使いたい、トリプルクレーム、ダブルクレームや剤形で他社との差別化を図りたいと考えている企業にぜひ検討してほしいと話した。