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2024.5.24機能性表示食品制度の現状と今後についてifia JAPAN2024国際食品素材/添加物展

2024年5月22日(水)〜24日(金)、東京ビッグサイトにて食品素材や食品添加物に関する情報が一堂に集結する「ifia JAPAN2024国際食品素材/添加物展」が開催された。食品加工において不可欠な素材や添加物について、安全性や美味しさは常に研究改良されているが、その最前線についてさまざまな情報が発信される場となった。ここでは「機能性表示食品制度の現状と今後について」について取り上げる。

消費者庁 食品表示企画課保健表示室

今年の3月あたりから機能性表示食品による健康被害のニュースが世間を騒がせているが、機能性表示食品のルールについて消費者庁から現状と今後について確認と解説が行われた。

機能性表示食品の法的位置づけは食品表示法第5条によって定められており、そもそも「食品関連事業者は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはらない」という大原則に従う必要がある。さらに販売する食品が「機能性表示食品」である場合は「機能性表示食品の届出」を行う必要があり、その指針も細かく定められている。なかでも「食品表示法」による「機能性表示食品」の遵守事項には「義務表示事項」が定められており、「科学的根拠を有する機能性関与成分及び、当該成分または当該成分を含有する食品が有する機能性について、消費者庁長官に届け出た内容を表示しなければならない」という義務がある。他にも義務表示事項として「機能性関与成分」「栄養成分量および熱量」「1日あたりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量」「1日あたりの摂取目安量」「届出番号」「食品関連事業者の連絡先」「機能性及び安全性について国による評価を受けたものでない旨」「摂取方法」「摂取上の注意事項」「バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言」「調理又は保存に関する注意事項」「疾病・治療・予防を目的にしたものではない旨」「疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦、授乳婦に対し訴求したものでない旨」「疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師、薬剤師に相談した上で摂取すべき旨」「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨」を義務として必ず表記しなければならない。同時に表示できない「禁止事項」についても細かく定められており「実際のものより著しく優良又は有利であると誤認させる用語」「疾病の治療効果または予防効果を標榜する用語」「届出た機能性関与成分以外の成分(栄養成分)を強調する用語」「栄養成分の機能を示す用語」「消費者庁長官の評価、許可等を受けたものと誤認させるような用語」「保健機能食品以外の食品に保健機能食品と紛らわしい名称、栄養成分の機能および特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語」などが表示されることはあってはならない。

機能性表示食品に限らず「健康食品」の安全性確保に関する取り組みについては食品衛生法第8条で「健康被害情報の届出義務化」も定められている。2018年に「特別な注意を必要とする成分または物を厚生労働大臣が指定し、健康被害情報の報告とGMP(品質管理)を義務化する指定成分制度」が創設され(2020年施行)、2024年には「健康被害情報の自治体から厚労省への報告の効率化、指定成分におけるGMPとの整合を図ることを目的として対応要領とGMPが改正」されるなど、年々強化されている。そのため、機能性表示食品により健康被害が生じた場合は、因果関係が明確でない場合であっても積極的に情報収集することが求められ、消費者が健康被害に遭い医療機関に相談した場合は、医療機関は「指定成分に関しては被害の把握や調査協力に努める」ことが求められ、事業者は指定成分であれば自治体への「届出義務」が、指定成分以外であれば「自治体への届出の努力義務」が求められている。また消費者は健康被害に遭った場合、国民生活センター(PIO-NET)に報告するのが望ましく、国民生活センターは消費者庁に情報共有し、消費者庁は厚労省に情報共有する流れができている。

このように、機能性表示食品の表示と安全性の確保については諸々のルールが定められており、それが基本的には守られているが、今回小林製薬の紅麹原料を含む機能性表示食品において健康被害が生じていることを踏まえ、この事案を受けた機能性表示制度の在り方を検討する必要があるとし、消費者庁と有識者、関係省庁らで本年4月19日を初回とし5月21日までの短期間で5回の検討会が開催されている。

6回の検討会が終了した後(5月23日予定)、議事録が作成され、消費者庁のホームページで参加委員の見解とともに公開される予定なので、関心のある人はぜひ見てほしいと話す。この検討会も踏まえ、今後も「届出ガイドライン」は改正される可能性があるが、直近では令和5年9月29日付で改正が行われている。そこでは主に2つの大きな改正があった。1つ目が、システマティックレビュー「PRISMA声明(2020年)への準拠」だ。システマティックレビューを用いる場合は国際指針であるPRISMA声明2009が2020に更新されているため、機能性表示食品の科学的根拠の作成も2020に準拠する必要がある。既存の届出食品は、猶予期間内に随時2020版に準拠した変更届を行うように推奨されている。また新規届出については、令和7年4月1日以降は2020に準拠したものでなければならないが、それまでの間に届出する場合は、2009を用い、その後2020版に変更することが望ましいと解説。2つ目の大きな改正ポイントとして「届出内容の責任の所在の明確化」がある。機能性表示食品の届出の内容は、届出事業者全体で負っていることを改めて明確にするため、届出のチェックリストに届出者(個人または法人)の代表者の確認欄が新たに設けられたと説明。 また、消費者基本計画に基づき、消費者がさらに食品表示の活用や戦略的に健康食品を活用することが期待されている、と話す。消費者の意識調査の結果を考察しても、保健機能食品やトクホ、機能性表示食品の認知度も摂食経験もまだまだ不十分であるという結果がでており、消費庁では新たに「保健機能食品についてのウエブサイトの新設」「リーフレットおよび動画の作成」なども行っている。これらを活用しながら国民への啓蒙活動を推進し、安全性が高く消費者にとって有益な保健機能食品を幅広く提供していきたいと話した。

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