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2002.10.18第3回「JAFRA日本食品機能研究会ワークショップ」をドイツで開催

「第3回代替医療国際ワークショップ」(主催:JAFRA「日本食品機能研究会」)をドイツで開催 日本食品機能研究会(JAFRA)主催のワークショップが、お陰さまで第三回を迎えることとなりました。 第一回目は、新しい領域の試みに挑戦する、若くて活気のあるアメリカの相補・代替医療(CAM)の現況に直接触れ、第二回目では、伝統の国イギリスで「治療における心のケア」をテーマにヒーリング、ホメオパシ一等について研修しましたが、第三回目の今回は、会場を旧来より日本の医学と関係の深いドイツ(ベルリン)に選びました。

今回も「代替医療の現場」を視察・実体験することをテーマとしておりますが、シュタイナー博士がその基礎を築いたシュタイナー医学(人智学医療)やクナイプ療法など、ドイツが世界に誇る医療について聴講・見学します。また、ワークショップでは、ドイツにおける相補・代替医療の草分け的存在で、ベルリン自由大学教搾のビューリング博士をはじめ、ドイツ、イギリス、日本を代表する第一線の先生方をお招きして、活発な討議を予定しております。

会場となっているフンボルト大学は、かつて森鴎外や北里柴三郎といった医療の先駆者たちが留学したことでも有名で、日本とはゆかりの深い伝統校です。

人智学医療

Matthias Girke(Chief of the Department of lnternal Medicine and Oncology)

1981年、ベルリン自由大学のメディカルサインスを卒業。1995年より、Havelhoehe病院 内科学・腫瘍学部長となる。研究の主関心は瘍学、thyreology。1999年から、ドイツ人智医療内科医師会の会長を務めている。

現在の医学研究や実践は、古典的な科学的アプローチに基づいている。客観的で、正確な臨床的発見は診断と治療に最も大切なものである。医療はこの臨床的発見に焦点を合わせているため、患者のコンディシ ョンや内面の性質のような局面から離れて行われる。ドイツでは、現在の医療システムにかかることにいい感情は抱いていない人が多い。

そのため、より多くの人々が人智学医療やホメオパシー、また植物(ハーブ)療法などの補完医療に頼るようになってきた。というのは、分析科学アプローチでは人間性がほとんど受け入れられないからである。エランヴイタール、魂、精神のような人間の特性はそこにはない。従って、人間性をよりホリスティツク的に眺めるためには、古典的科学医療アプローチを拡張することが必要なのである。

このように、人智学医療は既存の科学的医療に反するものではなくて、それを広げたものである。そして、診断と治療が基本とすべき科学的正確さと、ホリスティック的な人間性の反映を発展させようとしている。治療のメインは発病のバラダイムや病因というよりはむしろ、健康を維持する要素に治療的にアクセスし、サポートするhygio-geneticの概念にあるのである。

腫瘍学におけるヤドリギ療法

Harald Matthes(Medical Director)

1987年、ベルリン自由大学のメディカルサイエンスを卒業。卒業論文は、培養角膜内皮細胞に対する起電性Na/HCO3-共輸送の特性について。1995年からHavelhoehe病院の病院長を務める。研究の主関心はC型肝炎、過敏性腸症候群、癌への人智学的治療である。

癌治療におけるヤドリギ抽出物の使用は、ルドルフ・シュタイナーにさかのぽる(1920)。ドイツでは、過去80年以上にわたって、腫瘍学で最も一般的に使われる薬物としてヤドリギの抽出物が発展してきた。癌という病気は、腫瘍細胞の自己増殖にともなう二元的なプロセスと考えられるかも知れない。

つまり、一方は自己増殖細胞を発見する機能の低下であり、もう一方はそれを破壊する能力の低下である。よって、治療は第一に自己増殖細胞の破壊を基礎とし、第二に免疫力の強化を図る。最初の治療方針は、化学療法・放射線療法・手術除去によって行われる。これらの治療には免疫力を著しく低下させる副作用がある。

植物としてのヤドリギは、高い自己増殖能力と悪性腫瘍に似た性質(寄生的増殖、地球中心、太陽中心の方向付けを持たず、あらゆる方向へ増殖する)を持っている。さらに、その活性物質は細胞毒性や細胞変性効果(Viscotoxin)を示している。その一方で、ヤドリギは強力な免疫系刺激物質であると考えられる成分(mistletoe-lection l-3)を含んでいる。

ヤドリギの治療的使用は、これらの種類の異なる選択肢を利用する。免疫系刺激物質としてのヤドリギは、皮下的に少量を投与する。細胞毒性作用を働かせるためには、ヤドリギは静脈注射で高投与量を接種しなければならない。

その他ヤドリギ抽出物の効果として、白血球減少症のような副作用の軽減や遺伝的異常の低下(姉妹染色分体交換の割合の増加)などがある。計画的な臨床的効果によると、適当なヤドリギ治療を選択するには、異なったヤドリギの寄生種類や、異なった適用方式・適用期間を考慮する必要がある。癌患者における様々な研究によって、生存期間の延長や、特にQOLの向上が明らかになってきている。

乳癌における自己調節と内発的調節

Doctor of Medicine

1995年、テユービンゲン大学でメディカルサイエンスの資格をとる。卒業論文(MD)は、乳癌における植物性調節障害について。1996年よりHavelhoehe病院で内科学・研究部で働く。研究の主関心は、ヤドリギ療法に重点を置いた、時間生物学、糟碑測定学、腫瘍学である。

補完医療は、患者をホリスティツクに診察する重要性を伝承的に仮定している。人智医学においては、人間の異なる4つの局面(体、エランヴイタール、魂、精神)とそれらの相互作用が健康や病気、また個人の成長に影響すると考えられている。1920年に、ルドルフ・シュタイナーは異なる植物の機能に関して、それらの相互作用間の調整度合いを測るために、数々の質問を提案した。

シュタイナーの質問に基づいて、我々は健康と病気を区別し、パーソナリティマーカーとの関連を表すために、内発的調整〈eR)のための信頼性(Cronbach-αrα=0.71、retest reliability rt=0.83)と有効性の高い質問表を開発した。あるケーススタディにおいて、乳癌におけるeRの減少は夜間睡眠中の規則的な調整の欠如と関連があることを発見した。その後の研究では、予後の重要性を評価する必要性があった。現代の心理学的方法や疫学によると、健康や幸福を楽観的に考える状況をつくるためには個人的な活動が重要となる。

Grossarth-Marticekは、生活を変えるためのこの能力を”自己調節”と呼んでいる。3万人を越す被験者を含む大規模な研究において、Grossarth-Marticekは罹患率と死亡率に対する自己調節の重要性を示している。癌患者の中でも特に乳癌患者において、”自己欲求の否定”と”利他主義”に関して傾向が見られた。結論として、人智学医療の複雑さと多次元的概念に対する現在の調節的アプローチを示すデータを報告する。

過敏性腸症候群

Friedemann Schad(Doctor of Medicine)

1998年、ハンブルグ大学医学部を卒業。卒業論文は哺乳類における神経生物学的発達。1998年からHavelhoehe病院の消化器学・研究部で働く。研究の主関心は、腫瘍学と肝炎である。

過敏性腸症候群(IBS)は、医療現場においてはもっとも一般的な病気のひとつである。その治療は難しく、長期間のプロセスが必要とされる。既存の治療では、PrOCineticsや鎮痙剤、症状のコントロールに限定されている。人智学医療では、人間のオーガニズムは、解剖学的に機能的に全ての臓器を含む3つの基本原理に基づくシステムであると理解される。

脳に位置する知覚神経システムと、消化、再生、移動器官に位置する再生代謝システムは対立している。2つのシステムは心臓や肺に代表される周期的システムによって、動的均衡を保たれている。こうした考えにおいては、健康は極プロセスバランスをとる能力であり、逆に病気はいずれかの臓器におけるこのバランスの欠如である。

IBSの場合は、消化器官において再生代謝プロセスより知覚神経プロセスが優勢なのである。消化不良、鼓脹、腸痙攣、fractional bowel evacuationなどは、胃酸過多やtachy-bradygastria,hyper-dysmotilityの結果起こる。人智学的IBS治療においては、代謝プロセスは苦味成分を含むハーブ薬(ゲンチアナ、アブサン、ダイコンソウ属植物)や、ミネラル薬(白砒、銀製剤、アンチモン)などによって改善される。

治療オイリュトミー同様、からし足湯や肝臓・腎臓湿布などの外用治療は代謝を刺激したり、その活性自体を強化したりする。アートセラピーは厳格な気質を活発な経験へと向き直し、変換できるようにしてくれる。結論として、不満の排除や継続 的なIBSの治癒は、神経と消化器宮における代謝システムの本質的なバランスを改善させることによって成されると考えられる。

人智学的C型肝炎治療

Burkhard Matthes

1995年、ベルリン自由大学医学部を卒業。卒業論文は、過敏性腸症候群について。1998年からHavelhoehe病院の消化器学・研究部で働く。研究の主関心は、免疫学とC型肝炎である。

C型肝炎への関心が世界中で高まってきている。その理由としては、発生が増えていること、病気が進行性慢性的に発展すること、治療法が少ないことなどが挙げられる。現在、インターフェロン/リバビリンの治療が最も効果的だと考えられているが、その成功率は良くても50%で、最も発生しやすい遺伝子型1グループにおいては35%である。

しかし、この治療には重い副作用がある。副作用のせいでインターフェロン/リバビリン治療を完全に行えない人や、この治療が必要でない人にとっては、人智学治療が実行可能な選択肢となりうる。人智学医療においては、肝臓は外界(この場合は食物)を個人の肉体へと変換し、合成する臓器として捉えられる。C型肝炎ウイルスはこのプロセスを阻害し、ウイルスの合成を強める。C型肝炎の進行は、特に免疫応答能力によって影響を受ける。

人智学医療では、免疫システムとは全ての異物から自己を区別し、境界線をつける能力が必要な中心的組織を意味する。治療オイリュトミーや彫刻のような人智学的治療は、絶対的自己を強化する手助けとなる。薬物療法の面においては、ヤドリギ、ナス科トマト属トマト、ワイルドストロベリー、ヴイティス・ヴイニフェラ 〈ヨーロッパ種ワイン用ぶどう)を使って行われる。

私たちのセンターでの成功率はHCV-RNA-PCR陰性が約18%である。感染患者は、治療によって著しく症状が良くなり、QOLが改善されている。患者の60%は、治療後に職場復帰することができた。他のセンターにおいては、85%もの患者のQOLが改善された。人智学的C型肝炎治療は、数年以上にわたって行われる長期間治療である。

たとえHCV-RNA-PCRで陰性になったとしても、治療は再発防止目的で続けられることが多い。治療のコンセプトは、今では既存治療に代わるものとしてヨーロッパ中から北アフリカにおいても確立され、それぞれのセンターで少しずつ変えられた方法で使われている。

ミュージックセラピー(音楽療法)

Peter Fausch(Art therapist/music)

ドイツAlferにあるアートセラピーのためのALNUS学校で人智学的ミュージックセラピーを学ぶ。1995年からHavelhoehe病院でセラピストとして働く。

ミュージックセラピーは、既存の科学的な視点を超え、精神的・心的局面を包括する人類学〈生理学、病理学)の人智学的、医学的理解に基づいている。ミュージックセラピーは、人間の創造的潜在意識に働きかける。その効果は、聞くこと・感じること・呼吸すること・〈内部外部の)動きなどのような人智学的プロセスを通して発展する。

治療手段は、音調、リズム、コード、トーンシステムなどの音楽要素で、歌ったり動いたりすることだけではなく、特に楽器を用いて行われる。治療計画は個別に立てられ、周期的なスケジュールが作られる。患者は受動的なエクササイズばかりではなく、能動的なエクササイズも行う。人智学的ミュージックセラピーでは、アコースティツク楽器(電子アコースティツク楽器は除く)のみ使用される。

ミュージックセラピーは、心身症や精神病を患っていたり、生物学的発症や発育上の問題を抱えていたりする、器質性または機能的障害を持つ患者にとって必要である。この治療は特に非言語上で理解や感受性、コミュニケーションを促進することに適している。

アートセラピー

Katharina Gutknecht(Director of the Artaban-School/Berlin)

ベルリン芸術大学で絵画を学ぶ。教育・健康機関において、また囚人に対してアートセラピストとして働いた。1982年に、人智学的アートセラピーの学校であるAr也ban学校を設立。また、人哲学的アートセラピーのためのヨーロッパアカデミーの創立者の一人でもある。

アートセラピーは、絵画、デッサン、彫刻の3種類の技法を使って行われる。どれを選択するかは、主に病気の種類による。医者は自分の診断に基づいて技法を選ぶのだが、それぞれの技法の効宋を知り、病気のプロセスに関連付けなければならない。アートセラピーにおいて、完全に自己の再発見をする人は多い。創造的な体験には、ヒーリング効果がある。芸術的な活動自体は魂への薬物療法であり、体への薬物療法として何らかの治療といっしょに行われるべきものである。

色を使用する絵画では、描き手の内面の動きを反映する、明るさ、時さ、温かさ、冷たさのある絵を生みだす。一連の治療において、一方では硬化,心の境界線やよどみ(死)が表れ、もう一方では、崩壊、無限、無色、消えゆく混乱が表れてくる。これらの不均衡な感性は肉体に大きな影響を与える。セラピストは、こうした不均衡さに働きかけ、徐々に、愚者がそれを変換し調和を回復していく手助けをする。

治療的デッサンは線の力の秩序付けを使って行われる。意識的なデッサンの線は現実を見失っている時の方向定位をつくり、患者の頭をスッキリさせ、集中させるのに役立つ。線は律動的にスウイングしていたり、臭っ直ぐだったり、丸かったり、角張っていたり、それ自身が交差していたりすることもある。それは、安定効果を引き起こすために、常に平静をもたらさなければならない。

また、造形的デッサンがある。これは、対象に対しての知覚的スキルや感情移入を向上させる。アートセラピーは自己の治癒カにアクセスすることを可能にし、健康のために治癒力を活性化し、利用することを学ばせてくれるのである。

アートセラピー

Peter Blasi(Art therapist/Sculpturing)

ドイツAlferにあるアートセラピーのためのALNUS学校で彫刻を学ぶ。その前は大工として働いていた。1993年以降、Artban学校で彫刻の教師を務める。1995年より、Harvelhoehe病院でセラピストとして働く。

治療的彫刻は監督のない患者の自由な作業で始める。患者は滑らかな粘土を与えられ、その中に痕跡を残すように勧められる。この最初の作業において、2つの傾向が見えてくる。個人的な表現と病気の特質の2つである。セラピストはこの時点で患者を”ピックアップ”し、新しい彫刻作業を提案する。

治療の目的は、患者の自由な作業で見られた不安定さと偏りを、粘土や木、石を用いた芸術的なプロセスによって克服し、変換することである。

治療オイリュトミー

Elisabeth Rieger(Therapist/Curative Eurythmy)

イギリスで人智学を、ハンブルグでオイリュトミーを学ぶ。1997年以来、Havelhoehe病院で働く。主に、麻薬患者やC型肝炎患者に働きかける一方で、末期患者への緩和治療にも従事している。

Florian Himstedt(TTherapist/Curative Eurythmy)

ドルナッハ(スイス)のオイリュトメウムでElena Zuccoliとともにオイリュトミーを学び、その後治療オイリュトミーを学ぶ。教育・研究施設(Herdecke病院、Woldorf学校)でセラピストとして働く。1995年より、Harvelhoehe病院で主に消化器科、内科、末期治療科で働く。

治療オイリュトミーは、動きに基づく治療である。この治療は1921年に発明され、人智学医療と一緒に適用され、人間のホリスティツク見方に基づいている。人智学医療と治療オイリュトミーは、人間は肉体、魂、精神から成るという考えに基づき、既存の科学的医療アプローチを拡張したものである。動きのエクササイズは音楽(音調、音程)と言語(母音、子音)の律動から発展した。

母音と子音の音の違いは、腕と足による特有のジェスチャーで表される。これらの動きは私たちの器官のそれぞれのプロセス(代謝、循環、知覚神経システム)に治療的な効宋を持つ。私たちの全身は動きから造られ(胎生学)、絶えず動きを通して形成され、形づくられている。

治療オイリュトミーは身体のこの”流れる”部分に働きかける。それぞれの病気に特定のイメージがあり、エクササイズはこのイメージや患者個人の体質に基づいて発展される。ヒーリングのプロセスはリズミカルな方法での動きの反復を通して活性される。治療オイリュトミーの効果は、活力の増大、前向きな身体の感覚や集中力の向上において認めることができる。

リズミカルマッサージ

Bianca Jehle(Masseuse/Rhythmic Massage)

ヒーリング治療家、マッサージ師としてベルリンで働く。1996年よりHarvelhoehe病院で非常勤勤務。

20世紀に発達したリズミカルマッサージは、健康と病気において基本極性を組織化するシステムとして人間のオーガニズムを捉える、人智学的な考えに基づいている。知覚神経システムが一方の極となり、再生代謝システムがもう一方の極となり、心臓や呼吸のリズミカルな動きである循環システムがその2つの仲介となりバランスをとっている。

全ての病気の症状はこれらの力の不均衡に関連している。リズミカルマッサージは循環システムを改善するので、体が失った平衡を取り戻すのを助ける。古典的なマッサージテクニックと異なり、リズミカルマッサージは流れるような巻き込む動きを使って行われる。リズミカルマッサージ独特のテクニックは、心臓、腎臓、腹胱、肝臓、脾臓を搾ることである。よって、臓器の本来の機能を守るために、金属性の軟膏を使って対応する皮膚の部分が擦られる。

病気の種類によって、異なったオイルや軟膏が選ばれる。リズミカルマッサージは、筋骨格システムの病気のようなマッサージに対する通常の適応の他に、不眠、偏頭痛、喘息、動脈・静脈血循環障害の場合にも応用される。リズミカルマッサージは神経系の病気や癌治療のサポートにも使われる。

歓迎のごあいさつ

Prof.Dr.med.Malte Buehring

・1939年 Westfalen Muensterに生まれる。
・1965年 ミュンヘン大学にて、多種の臨床的および理論的研究について医学実験を行い論文執筆
・1969年以後 自然治癒についてのほとんど全ての方法の効果と機序について臨床試験及び基礎的調査研究を行う
・1972年以後 Main、フランクフルトのヨハンヴォルフガングゲーテ大学内科に勤務
・1983年 大学で内科、物理医学およびリハビリテーションの講義を担当
・1989年 ベルリン自由大学に新しく設立された自然療法講座教授に任命される
・1989年 自然療法を初めて再定義し、教育訓練の為の「Gegenstandskatalog」(研究主題目録)を作成
・1996年 European Society for Classical Natural Medicine初代会長

博士の学問的業績が求める最も重要な点は、人間とその疾患の治療の評価が確立した正当な考察における古典的自然療法統合の更新であると博士自身は考えている。

ドイツ語の「Naturheilkunde」および「Naturheilverfahren」(自然療法)にぴったりあてはまる英語をさがすのは非常に困難です。 ADl
この言葉は、自然から授かったごくありふれた素材やもの、状態や力を組み合わせた治療法を指しています。いわゆる水療法における温水や冷水、鉱泉・気象療法における天然の泉と気象要素、また体操療法における身体活動とトレーニング、機械的療法におけるさまぎまなタイプのメッセージと触診、栄養療法における大量の食事療法計画と食事制限および絶食、植物療法における天然の植物の使用、慎重に選んだ美術療法の形態、動作および体と動作の瞑想的体験を同時に組み合わせること(身体志向の心理療法に類似)、などが重要な例として挙げられるでしょう。
この他に「Naturheilkunde」(自然療法)は、その治療方法によって定義されます。
AD2
「Nature」ということばはまた、私たちに「physis」という昔の哲学的用語を想い起こさせてくれます。これは個々の人間のそれぞれの性質を意味します。それは成長と生体のすべての機能をつかさどり、よって「Naturheilverfahren」(自然療法)は、病的所見の治癒や改善の結果(治療的側面〉あるいは健康維持の結果(予防的側面)に影響を及ぼすことがあるため、「物理療法」の手法なのです。
「Na山rheilkunde」(自然療法)には、独自の有効性があります。それは、病的変化を自身の特性によって改善あるいは修復する生体の自然の力、および可能性を生理学的に刺激することによって特徴づけられるものです。
したがって、天然素材および用いられている手順や方法は、臨床試験および科学的な実験によって裏付けなくてはなりません。よく定義された「健康的」および「衛生的」の意味で、自然療法は、多くの適応症において、過程を刺激し、進めさせています。
実際に私たちが行う治療法の早期効果と長期持続効果の区別は、連続的に行われることが多いのです。前者は、急性症状〈例、痺痛、急性の肉体的、心理的症状の訴え、不安あるいはうつ、菜食管理の種々の問題)の対症療法のための上記すべてに関連します。また、治療法の長期持続効果は、菜食管理における長期的変化および身体的フィットネスに関連します。
これらの変化は、たとえば、消化器系や心臓系など、いくつかの臓器機能の改善あるいは生合成およびレセプタの状態を表わす内分泌機能の調節について、または生体の重要な免疫学的可能性(たとえば感染症あるいは癌の患者には「Naturheilverfahren」(自然療法〉が有益であるというヒントがいくつかあります)などの、より上位の、重要な次元に到達することができました。
通常、「Naturheilvefahren」(自然療法)には、心理学的効果があり、その効宋は、患者を心理的にサポートすることによって緩和あるいは強化することができます。身体杓および心理的状態がよい影響を受けるか、あるいは慢性疾患の患者が対処法や自己強化について何かを身につけるかのいずれかです。
「Naturheilverfahren」(自然療法)は、十分に定義されていない補完医学の他の方法とは一線を画すべきものです。この「補完的」の解釈はもとの哲学的内容によるものではありません。Nils Bohrは、同じものが異なった視点および判断から認識されうるという状況、たとえば私たちの場合は、薬物療法と物理療法の物質的あるいは精神的側面を書き記すつもりでした。統合的医学には健康システムのあらゆる療法と要素を効率よく結びつける治療的戦術があります。

水治療法・自然療法の歴史的根拠

Dr.med.Dr.rer.nat.Bernhard Uehleke(MD)

・1974-1982年 物理学、医学を専攻(テュービンゲン大学)
・1992-2000年 Wurzburg Kneipp-Werke医学監督
・2000年- ロストク大学臨床薬理学教室、植物薬理学調査研究グループ
・1992-2001年 ヴュルツブルク大学事前療法師
・1993-1995年 ドイツ連邦保健省B8委員会(温泉療法学)
・1996年-European Society for classical naturopathy副会長
・1996年- International Kneipp-Konfoderaion(IKK)理事
・1996年- Bonn Kooperation Phytopharmaka,理事

19世紀の間、ⅥncenzPIleBnitz(1799-1851)、EuchadusFerdinandChdstianOertel(1765-1850)をはじめとする治療者と医学博士により、冷水を用いた養生法が開発された。冷水療法は、世界の他の国と同様、ドイツにおいても自然療法の教義開発の基礎となった。この冷水療法には、運動とある程度の食事制限が自然に取り入れられたが、19世紀後半、SebastianKneipp(182ト97)によってハーブ療法が加えられ、AmoldRikli(1823-1906)によって日光浴(光療法)による治療法が追加された。

医学の歴史の中で、この時期に、疾患の予防と同様、治療用途にも冷水や温水が用いられた。対応する医学システムに対する活動様式の説明が適用された。今日では、連続的治療の他、急性期の治療についても水療法の複雑な生理学的反応が知られている。すなわち、寒冷刺激に対する初期の血管収縮に引き続いて、生体内の神経系、心血管系、免疫系および内分泌系に対する干渉とともに反応性の血管拡張が引き起こされる。

生理学的および心理学的観点から、Kneipp氏のような治療者の経験的な感覚によれば、水を用いた手法は、最も望ましいものであるといえるであろう。全体的かつ非特異的方法で身体を強化し頑健にする目的で行う「Kneipp療法」を行う間に、温水を含む水療法の連続的治療を行う。これは、人は自分で様々な疾患、特に感冒に対する抵抗力を向上させ、現代社会のストレスやその有害な効果に対する耐性を高めなくてはならない、ということを意味している。

したがって、適応症の一覧には、心血管および代謝性疾患、機能的消化管症状、筋骨格系疾患〈痺痛あるいはリウマチ性疾患)、免疫系のバランスが崩れた状態、およびその他の多くの障害というように、非常に広い範囲の機能障害が含まれている。

ヨーロッパ/ドイツにおける植物療法

Dr.Joerg Gruenwald(Consultant,Ph.D)

・1975-1978年 植物学博士号取得(ハイデルベルグ大学)
・1990-1995年 Lichthwer Pharma GmbH 医学監督
・1996年- Institute for Phytopharmaceuticals GmbH 植物薬理学コンサルタント
・2000年- デンマークNutriPharma 主任化学研究員

Advanced in Natural Therapy. Nutrition Business Joumal. Joumal of Medical Food他多数 編集員
The Research Council for Complementary Medicine顧問理事

アジアや南アメリカで、民族医療や自然療法が健康管理の一部として残されていた一方で、西欧社会においては常ではなかった。ヨーロッパでも、ドイツやフランスではハーブ療法、ホメオパシーや人智学医療などは大きな市場があった。イギリスや北欧などの他のヨーロッパ諸国では、過去10年間で新しいトレンドが成長しつつある。アメリカ合衆国では、1994年の法改正後、自然療法がブームとなった。

ハーブ療法の世界市場は、小売価格で約194億USドル。主なマーケットはヨーロッパで67億USドル、アジアで73億USドル、北アメリカで40億USドルである。残りのマーケットでは約14億USドル。ヨーロッパ内では、ドイツとフランスが、ヨーロッパ市場の3分の2を占める主要2カ国である。アジアでは、日本が最大の市場を持っている。(22億USドル)

市場が歴史的に発展しているアジア、ドイツやフランスの市場では、国の民族医療やハーブ製品が優勢だが、これは急速に成長を遂げているアメリカやイギリスなどの市場においては当てはまらない。法的な状況によって、民族薬が早く市場に導入されることが可能になり、最良の臨床データを備えた製品やハーブ薬が最大のマーケットシェアを占める。ヨーロッパとアメリカの主要植物は特に共通していて、イチョウ葉、朝鮮人参、エキナセア、セントジョーンズワート、ノコギリバルメット、ガーリックである。一方で、伝統的なアジアの複合製品や南アメリカ植物はまだ同様には確立されていない。

MGN-3による慢性疲労症候群治療トラブル

Dr.Julian N Kenyon(MD,MB.ChB)

・1965-1970年 医学を専攻(リバプール大学医学学校)
・1971年 医学および化学修士号取得(リバプール大学)
・1978年 医学博士号取得(リバプール大学)
・1972-1974年 Liverpool大学、小児衛生、胎児学部門講師
・1980年- British Med. Acupuncture Society初代会長

補完医学研究センター創設者/共同監督
統合医学Doveクリニック現会長
専門:慢性疾患、特に癌、慢性疲労症候群、多発性硬化症、パーキンソン病

著者の臨床診療所から10人の患者が集められた。彼らは慢性疲労症候群の患者10人であり、今回の実験を行う為に必要なバイオブランを取りに、著者に会いに来た。彼らは2ケ月間1日に三度服用するのに充分な量のバイオブランを支給された。彼らは実験開始と2ヵ月後の実験終了時に、疲労スケール、VAS、疲労のリカートスケールを記録するよう指示された。

このアンケートに基づく研究は、明らかにウイルス病因を持っている慢性疲労症候群の患者にバイオブランが効果的であるという事を示している。

リウマチ疾患のための栄養、食事及び断食

Dr.Med. Françoise Wilhelmi-de Toledo

・1953年 スイスジュネーブにて生まれる
・1981年 スイスジュネーブ大学にて医師免許を取得
・1982年 Raimund Wilhelmiと結婚。二人の子どもに恵まれる
・1982-1985年 Lausanne(スイス)にて外科実習、Muensterlingen(スイス)で麻酔科実習を経験
・1985年-現在 Clinic Buchinger am Bodenseeの常任取締役、研究開発部長、後に栄養学部長となる
・1990年 Basel大学にて論文『断食患者におけるビタミン状態の評価に関する問題点』を発表する

医療栄養学大学院卒(DAEM/DGEM)
1986年には断食栄養医療協会(AGHE)の理事となり、1998年から2000年までには協会長を務める。
1996年には自然治癒欧州協会(ESCNM)の理事となり、1998年から2002年までは副協会長を務める。
スイス ローザンヌにあるKousmine財団の理事を務める。

世界各地のリウマチ性疾患の発症率に大きな差があるという事実は、これまでに十分に解明されておらず、生活様式、特に食物による影響が病因、あるいは少なくとも病因論的要因として指摘されるかも知れない。関節の慢性炎症性疾患による断食と同様、”食事制限”による治療的アプローチも、特にスイス、ドイツ、スカンジナビアなどのヨーロッパの伝統的自然医学において有名である。

20世紀の終わりに、スイスのDr.Maximilian Bircher-Bennerの発表によって、リウマチ性疾患の治療において、大量の生野菜や果物を摂取する食事制限、特にオボ・ラクトベジタリアンやビーガン食に有効性があることが示された。ドイツ人内科医のDr.Otto Buchingerは、3週間の水断食によるリウマチ熱の後、慢性関節炎からの自然治癒という自身の経験に強く影響を受けたが、これは断食療法の概念や方法論において際立った持性を示している。

スカンジナビア諸国でなされた科学的発表のいくつかは、メタ分析で論評されている(Mueller H,Wilhelmi de Toledo F,Resch K-L:Fasting bllowed by vegetarian diets in patients with rheumatoid arthritis:A systematic redew.Scandinavian Joumal of Rheumatology 2001b;30:1-10)。観察された改良点の基礎となるいくつかのメカニズムは以下のとおりである。

食物一項目あるいは一グループの除去。例えば、前炎痘性アラキドン酸は動物性製品に含まれるので、ベジタリアンや断食患者には当然避けられる。さらに、グルテンや乳製品を避けることによって、関節の痛みだけでなく、関節の動きや朝のこわばり感に主観的改善が見られることを示すデータもある。リウマチ疾患に有効性があると認められている食事の殆どには、包括的なアレルゲンの量を低減するだけでなく、アレルゲンの可能性を回避することを導く食品グループ全体を除くという制限的な意味がある。
腸内細菌フローラの変化と炎症症状の改善及び悪化の相関性は、炎症性疾患の調整において腸内フローラと皮膜の浸透率が最重要であるという自然医療の伝統的な信念と一致している。
断食治療による特定の神経ホルモンの変化も、抗炎症性の役割を果たすかも知れない。(例:コルチゾールの増加)
断食及び最も制限的な食事での体重と水分の減少により、関節の痛みが緩和されるかも知れない。
魚やあまに油に含まれるポリ不飽和脂肪酸のような、抗炎症性の効果を示す栄養素の投与に有効性があることを示す研究もある。近年、未加工の植物や野菜に含まれるカロチノイド、フラボノイド及びレクチンなどの生体作用のある物質の摂取に効果があることが明らかにされている。
断食における異化作用状態は自己抗体構成のためにならないということには妥当性がある。伝統的な食事制限や断食の再考察、及びその分野でのさらなる科学的調査は、リューマチ性疾患を持つ患者のための栄養の新しい概念となる統合的概念の使用の確立を目指すべきである。

リウマチ性疾患の食事療法

Dr.med.Rainer Stang(MD)

・1968-1975年 物理学を専攻(ベルリン自由大学)
・1975-1981年 医学を専攻(ベルリン自由大学)
・1992年- Berlin Brandenburg Medical Society for Naturopathy and Physiotherapy会長
・1998年- Medical Society of Fasting and Diet Therapy副会長
・1993年- 自然療法科主任医師 専門:免疫障害、慢性炎症、腫瘍学、食事療法および断食療法

世界各地のリウマチ性疾患の発症率に大きな差があるという事実は、これまで十分に解明されておらず、食物による影響が病因、あるいは少なくとも病因論的要因として指摘されるかも知れない。骨格筋系の慢性的炎症性疾患に向けた食事療法を用いた治療学的アプローチおよび断食は、欧州中部における自然療法の長い伝統を見通すことができるものである。最近、可能性のある原理が明らかになってきたので、二つの基本的なメカニズムで説明できるかも知れない。

—「マイナスの制御」、例:特定の品目や伝統的栄養学の分野全体を除外した場合に起こるあらゆる効果

—「プラスの制御」、例:従来の個々の食事療法において過度に注意が向けられていた、新たに導入された品目によって引き起こされるあらゆる効果

食物における菜食主義の考え方は、19世紀に特に英国で強く支持されたが、当時、治療的重要性は大きくなかった。しかし、20世紀になると、スイスのDr.Maximilian Bircher-Bennerをはじめとする多くの医師が、リウマチ性疾患の治療のため、菜食主義、あるいは動物性食品をいっさい摂取しない厳格な菜食主義者にまで興味を示すようになった。ドイツ人医師のDr.Otto Buchingerは、連鎖球菌性の多発性関節炎が悪化した際の自身の絶食体験から大きな影響を受けたが、これは断食療法の概念の中で際立った特性を示している。のちに、この考えは、多くの科学的調査研究が行われたスカンジナビア諸国でも広く普及し、数種のコントロールスタディの実施につながった。

動物性食品の炎症促進効果を回避する際、菜食療法のどの成分が抗炎症効果をもたらしているのか、という疑問は、炎症時の代謝の理解につながった。すなわち、いずれの細菌叢にも見られないアラキドン酸が、炎症促進性物質として中心的役割を演じていると考えられるようになった。

多価不飽和脂肪酸(PUFA)の影響は、より禎雑である。抗炎症効果を示すもののうち数種は魚類にしか見られない〈オメガー3-PUFA〉が、これがエスキモーのリウマチ性疾患の発症率が極端に低いという事実の裏付けであると考えられる。

一方、他の脂肪酸の中でも特にガンマリノレン酸とビタミンEは植物油にのみ見られる。単離した物質を用いた研究により、推奨治療用量が示されたが、これは通常の食事によって摂取しうる量を超えており、したがって補助食品、医薬品の使用の方が便利であった。しかし、食物中のPUFAの至適含量によって得られる長期的利点を証明するための臨床的調査研究はほとんど行われていない。

近年、「植物の二次的成分」、たとえばカロチノイド、フラボノイドおよびレクチンなどのように、カロリーもなく、明らかなビタミン様作用も持たない物質の利点が多くの調査研究により示された。野菜類で示されるように、天然の混合物では、そのような物質が免疫調節作用を示すとされ、よって、自己免疫磯序により引き起こされた炎症のコントロールに有用であるかも知れないと考えられている。

生化学と特定の補助食品を用いた治療から有用なヒントを得ると同時に、自然療法の調査研究は、慢性炎症の患者に対する伝統的および新しい栄養学のコンセプトの利用を確立するための試みに取り組むべきである。

がん治療へのホリスティックなアプローチ–食事療法、機能性食品を中心として

Ryoichi Obitsu(M.D.,Ph.D) 帯津良一医学博士

昭和11年(1936年)、埼玉県生まれ。東京大学医学部卒業後、東京大学付属病院第3外科、都立駒込病院外科部長など歴任。昭和57年より、郷里・埼玉県川越市に帯津三敬病院設立、同院長。日本ボリスティック協会会長。ガン医療に東洋医学を取り入れた中西医(ちゅうせいい)結合の段階を経て、医療の理想であるホリスティック医学の確立を目指す。

ホリスティック医学とは人間のもつ三要素である身体性(からだ、Body)、精神性〈こころ、Mind)、霊性(いのち、Spirit)が渾然一体となった人間まるごとを対象とする医学である。

20世紀をリードした西洋医学は身体性において偉大な達成を果たした。精神性については関心が高まりつつあるとはいえ、いまだ医学の本流には速い存在であり、霊性にいたってはほとんど手つかずといっても過言ではない。つまり、西洋医学は人間まるごとを対象とする医学にはなり得なかった。人間まるごとの病ともいうべき、がんの雁患率、死亡率の低下に十分な貢献を果たすことのできなかった所以はここにある。

このことに多くの人々が気づいてきたのであろう。20世紀の最後の数年、身体性ばかりではなく精神性、霊性をも視野の中に入れて人間まるごとを見ようとする動きが世界の医療のなかに現れてきて、次第に大きな流れとなってきた。すなわち代替療法の台頭から統合医学へ、さらにホリスティック医学へと向かう流れである。

代替療法は多かれ少なかれ人間の精神性と霊性に向かうものである。精神性と霊性が科学的に解明されていない現在、エビデンスが乏しいのは止むを得ない。このことは謙虚に認めつつも、精神性、霊性といった生命の本質的なところを目指すものであることは大いに誇りとしなければならない。卑下する必要はまったくない。

代替療法の一角を占める機能性食品にも当然同じことが言えるが、特に、大自然の霊性(SPIRIT)をもたらすところに機能性食品の特色があると考えられている。たとえばバイオブランの効果は米の霊性が人間の霊性にはたらきかけることによって生まれる部分も少なくないのではないだろうか。

世はあげてEBM(Evidence Based Medicine)の時代である。医学が科学である以上、エビデンスを追求するのは当然なことである。しかしエビデンスがかろうじて確立されているのは(決して十分にではないが)身体性においてのみである。精神性と霊性についてはエビデンスは望むべくもない。だからといって、これを排除していたのでは医療は成り立たない。医療イコール医学ではないからである。

医療とは人間まるごとが織りなす”癒し”の場である。エビデンスがあろうとなかろうと”癒し”を推進していくのが医学なのである。ホリスティツクなアプローチによるがん治療の現場はエビデンスを超えてダイナミックに動いている。その現場から、今回は特に食事と機能性食品に焦点をあてて、その役割について考察を加えてみたい。

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