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2004.9.23第4回「JAFRA日本食品機能研究会ワークショップ」をイギリス・オックスフォードで開催

日本食品機能研究会(JAFRA)では、2004年9月23日(木)~28日(火)統合医療を中心としたワークショップをイギリス・オックスフォードで開催しました。日本をはじめアジア、ヨーロッパ各国から100人を超える出席者をむかえ予想以上の盛況となりました。

日本食品機能研究会主催の「インターナショナルワークショップ」は、これまで、ホリスティック医学、シュタイナー医学(人智学医療)、ホメオパシー、クナイプ療法、ヒーリング、フィトセラピー、心理療法、音楽療法など、統合医療を多岐に亘って取り上げてきました。

今回は、ガンの温熱療法、インドの伝統的治療であるアーユルベーダ、ガンの免疫療法、ガン患者に対する心理的アプローチなどについて、世界のトップレベルの専門家による講演、発表となりました。 講演の概要は以下の通りです。

統合医療の時代を開く

帯津良一医学博士(帯津三敬病院 名誉院長)

統合医療とは補完療法(complementary Medicine)と通常医学(conventional Medicine)との単なる足し算で はなく、積分。積分とは双方をいったんばらばらにして、これを集めなおして、まったく新しい体系医学を作ること。

JAFRA主催の国際統合医療ワークショップで、また皆様にお会いできることはこの上ない喜びです。 しかも、場所は天下のオックスフォードです。オックスフォードといえば世界最高の学問の府。ポテン シャル・エネルギーの高さにかけては世界でも有数の”場”‘といってよいでしょう。
統合医学は、”場”の医学です。場の医学についてのワークショップがこのオックスフォードの場のなか で開かれることの意義を今、感動とともに噛み締めているところです。
ご承知のように20世紀末に起こった補完療法の流れは、年々その水嵩を増し、今や統合医療の時代が開か れようとしています。
とはいっても、私たちがすぐに統合医療を手にすることができるわけではありません。なぜかというと統 合医療とは補完療法(complementaryMedicine)と通常医学(conventionalMedicine)との単なる足し算で はなく、文字どおり積分(Integral)だからです。積分とは双方をいったんばらばらにして、これを集めな おして、まったく新しい体系医学を作ることですから、これは並大抵のことではありません。まだまだ長 い道程を残しています。いくら長くとも私たちはこの道を進んでいかなくてはなりません。がんのような、 いわゆる難治性疾患に対しては統合医学をもってあたらなければならないからです。
前進あるのみです。前進を確かなものにするために、私たちはまず統合医療の本質を正しく理解しなけれ ばなりません。

統合医学の本質とは何でしょうか。
人間は目に見える身体/細胞系と目に見えないエネルギー場とが互にダイナミックに作用し合う多次元的複 合体であるといわれています(リチヤード・ガーバー)。
身体/細胞系を対象とする上での基本概念はパソジェネシス(pathogenesis、病因論)であり、通常医学がこ れを担当してきました。一方、エネルギー場を対象とする際の基本概念はサルートジェネシス(salutogenesis、 健康生成論)で補完療法がこれを担当しようとしています。
統合医療とは身体/細胞系とエネルギー場との統合であり、パソジェネシスとサルートジェネシスとの統合 です。身体/細胞系の一部に生じた故障を直す”修理工”の治しとエネルギー場のエネルギーの回復をはか る”庭師”の癒しとの統合です。
そして、その治しと癒しの統合がされるためにはポテンシャルとエネルギーの高い、コヒーレント(cohe佗nt) な場が不可欠であることを21年間にわたるホリスティツクなアプローチによるがん治療の現場で確信する に至りました。だからオックスフォードの場なのです。 本ワークショップの成果を心から期待するものです。

ω3脂肪酸は予防維持薬となるか?

Mehar S. Manku博士(Laxdale Ltd.)

審査の厳しい学術誌に270を超える論文を発表しているマンクー博士は、ω3脂肪酸の栄養補助食品としての、また特別に医薬品としての用途を要約。

エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω3長鎖脂肪酸(O3FA)は複数の生物学的作用 を示し、これにはin vivo及びin vitroの研究やプラセボ対照をとった臨床試験による裏付けがある。ω3の研究への興味 は、グリーンランドのイヌイット族や日本の漁村で死亡率が非常に低いことが覿察されたことから始まった。

ω3脂肪 酸の生物学的作用をいくつか述べる。03FAは、神経細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、及び血小板など全ての興奮組織の 信号変換プロセスの重要要素である。03FAが不足すると神経系及び循環系両方の機能異常であるCVDとなる。

3つの 無作為試験により、03FAのEPAが、標準治療で効果が得られなかった患者のうつ病治療に有効であることが示された。 多くの対照をとった試験により、03FAは血小板機能を阻害し、中性脂肪値を低下させ、HDL濃度を上昇させ、炎症性 サイトカイン生成を阻害することが示されている。03FAは心不整脈を防ぎ、無作為化試験において正常な心調律変動 性を回復させることが示されている。すなわち、うつ病と心血管疾患ではJL、調律が異常に安定している。

4つの無作為 化試験において(1つの試験は患者11,000人を対象としている)、03FAを投与すると心血管疾患の死亡率が低下するこ とが判明した。実薬投与群とプラセボ群では数週間以内に差が現れ始め、血小板やノL、不整脈に対する速やかな効果が 示唆された。EPAは、日本では1990年代初めから医療用医薬品に承認されており、末梢血管疾患や中性脂肪上昇患者に 使用されている。リウマチや炎症には抗炎症割として使用されている。

腫瘍には、ω3濃縮物が抗癌剤として使用され、 悪液質に対する作用を示す。しかし、今日までに実施されているこれらの試験のほとんどはEPAとDHAの混合物で行 われている。CNSや精神医学における03FAの役割は数多くの臣亮床試験の発表にともない明らかになりつつある。神経 組織は最高の脂肪酸濃度を示す。脂肪酸濃度は特に網膜と大脳皮質で高い。またω3PUFAは行動障害や特に子供の学 習にも関与している。私は、発表でω3脂肪酸の栄養補助食品としての、また特別に医薬品としての用途を要約するつ もりである。

免疫系モニタリングと癌の免疫治療

J. Hinrich Peters教授(ゲオルグオーガスト大学=ゲッチンゲン)

樹皮状細胞を使用した治療に、NK細胞の適用と他の既知の治療を組み合わせることについて発表。

腫瘍患者が免疫治療を開始するスタート時の状況は個々に異なり、まず免疫状態の定義と白血球数を正常化すること が責務となる。さらに、それぞれの腫瘍の実態、部位、段階により、高度に個体化された治療が必要となる。
変異性のパラメーターには以下のものがある:樹皮状細胞の分化状態、抗原の初回刺激、様々な注入部位(皮内、静 脈内、結節内、腫瘍内)、他の治療との様々な組み合わせである。

我々は、初回抗原刺激をしていないDCの使用、腫瘍内注入、”危険”信号の共同適用を開発した。これにより、樹皮状 細胞を初回抗原刺激するための腫瘍物質が存在しないケースでも患者を治療することが可能となった。
今回は、樹皮状細胞の治療にNK細胞の適用と他の既知の治療を組み合わせることについてお話します。

癌患者のための精神腫瘍学的治療法

György Irmey(ドイツ経験医学学会副会長)

患者個人としてのプラス面の潜在能力、個人的性格、能力、モチベーションを理解し、患者が自分の長所を発見できるようにサポートする、という全人的癌治療において、健康創成論的な意味でリソースを活性化させることが重要という理論から、精神腫瘍学的治療法の最も重要な側面を講演。

近代医学は科学技術面の業績は大きいが、人間関係に関しては粗末である。労働区分の原則で組織された、 ごく普通の医療システムでは、患者とのコミュニケーションの必要性にほとんど神経を注いでいない。ハ イテク医療はほとんど無言である。言葉を発したとしても、せいぜいシステムがうまく作動していること を保証するくらいである。しかし、医療にコミュニケーションは必要である。しかし、共感や共感のため のコミュニケーションは経済的合理性や効率で測定できるものではない。

様々な疾患ステージにある癌患者を共感し理解することは非常に重要なことである。癌の診断に直面する と患者は混乱し、無力となる。したがって、セラピストの主眼は治療において患者から積極的で目的を持 った協力を得ることに注がれる。私の考えでは、これは湊思の治療にとって最も効果的な医療である。癌 という疾患は、単一臓器又は体の一部の疾患ではなく、身体的、精神的存在としての全人間の疾患である。 病気だけでなく患者に取り組むことで初めて、その患者の人生に有意義に同伴ができる。今日の医療は患 者個人には十分な配慮がなされていない。

希望を捨てた患者にのみ、”絶望的な”予後がある。全ての人々は生まれながらに治癒への無限の可能性 を有していて、非常に進行した臨床像を示す症例であっても疾患プロセスが逆転する可能性がある。これ が、通常医療で効果がないとされても、薬や様々な方法で有効な効果が得られる理由である。全ての癌患 者は親戚や同病者、セラピストや医師の善意の助言をあびせられ、自分が自分の症状に関する多くの情報 に直面していることを知る。

このような状況にあっては、当の患者が精神面の医師を見つけることが特に 重要である。恐れを取り除くための対話、リラクゼーションや具象化の訓練、瞑想、その他の類似方法を 用いることで、癌患者は癌と闘うためだけではなく自分の利益のための決断を下すことができる。また内 面の安定は、オーソドックスな医療と独創的な治療方法の間で迷ったとき患者が良い方向性を得るのに役 立つ。

salutogenesis(健康創成論)(ラテン語で健康、順調な、また全体、救われた、安全、取り戻した、などを 表すsalusとギリシャ語のGenesis:arisalから得られた)の概念は、健康を生み出すための方法ということで ある。残念ながら、健康は医学における中心的概念ではない。Salutogenesisという用語はpathogenesisという 用語に村立して存在し、医学においては後者の用語のほうがはるかによく使用される。Salutogenesisの概念 は、個人が健康を生み出すのに役立つ力のことである。この力は、個人が命の負担を上手に、創造的に処 理する能力を高める。

患者を個人として取り組む仝人的癌治療の最も重要な要素の1つは、健康創成論的な意味でリソースを活性 化させることである。患者のプラス面の潜在能力、個人的性格、能力、モチベーションを理解し、患者が 自分の長所や良い面を発見できるようにサポートすることで、患者を特にうまく支援できる。今回の講演 で、このことを念頭におき、精神腫瘍学的治療法の最も重要な側面について述べる。

癌治療における温熱療法

Holger Wehner博士(フォン・アルデンヌ・クリニック)

温熱療法ドイツ学会会長、クリニックの主席医師としての経験から、全身温熱療法など温熱療法の経験に裏付けされた理論と実際を講演。

組織における熟の最も重要な作用は、分子の自然震動による警告、血管の拡張、局所メディエイターによ る循環増大と受容体の活性上昇、代謝による熱付加を減らすため反射の緊張を弱めて平滑筋や横紋筋を弛 緩させる、線維構造の柔軟性を増す、痺痛を伴う組織収縮時の鎮痛効果、痺痛の軽減並びに炎症の抑制で ある。赤血球流量が増大し、血小板粘度が低下することにより微小循環が上昇し、血流が増加することで 酸素分庄が初期値と比べて600%以上に高まる。

温熱療法は全身的(全身温熱療法)にも局所的にも使用できる。その特徴は温度に応じて様々に異なる。 治療サポートのための循環増大であれば準臨床的な温熱範囲(37.0~38.5℃)で血管を拡張させることで可 能である。適度の温熱(38.5、40.0℃)は免疫反応の引き金となり、免疫系を活性化させる。中間的な温熱 (40.0~41.5℃)では、熱を加えられた細胞増殖抑制剤の効果が増大する。高い温熱(41.5~43.0℃)と高 血糖及び高酸素血を併用すれば腫瘍細胞を破壊できる。全身温熱の場合(発熱療法も含めて)、最高温度 には限界がある(≦43.0℃)。この限界以上の熱を局所的に加えると癌細胞を直接破壊できるが、疾患部 位に応じて制限がある。

この講演では、人工的に熱を発生させるための様々な装置を紹介する。局所表面の治療には水フィルター により波長の短い赤外線のみを送り出す熱源を用いることが多い。体内部位に局所適応する場合レーザー ・エネルギーを用いて、非常に高温(約100℃)にする。この場合患部に正確な狙いを定めなければならな い。前立腺腫瘍の場合、高周波数装置が用いられることが多い。伝達アンテナは尿道を通して前立腺部位 に挿入する。

局所温熱には電磁エネルギーが用いられることが多い。例えば高周波(13MHz)など。アン テナは腫瘍部位の上に置く。全身温熱の場合、赤外線放射によるエネルギー伝達が最もよく使用される。 赤外線範囲A(IRATHERM)と赤外線範囲c(AQUATHERM、ENTHERMICS)を高湿度で用いることが一 般的である。HECKEL装置は混合赤外線放射(A+B)の反射を利用し、適度な温度の温熱療法に特定して 使用される。赤外線範囲Aの特別な利点は、相対スペクトル透過率の最適適応により高いエネルギー皮膚 深度が得られることである。
講演の終わりに、国家的及び国際的な温熱療法の科学的ホームステッドを紹介する。

予防医学における虹彩科学

Serge Jurasunas博士(ND,MD(Hom))

19世紀にIguaztvon Peozelyによって開発された虹彩学は、人体の統合性の詳細像を得るために虹彩の色、構造、模様を観察することで行われる。

19世紀にIguaztvonPeozelyによって開発された虹彩学は、人体の中で最も複雑で、最も無視されている構 造の1つである虹彩の分析に基づくものである。

この一見素敵な分析/評価方法は、人体の統合性の詳細像を得るために虹彩の色、構造、模様を観察する ことで行われる。疾患だけを研究する一般的な医学方法と異なり、虹彩学は急性から慢性までの様々な炎 症ステージや、現在あるいは未来の疾患に関わる可能性のある退行状態を明らかにする。 どの臓器も完全に他の臓器から切り離されているわけではないので、全身は本質的には個々の臓器の一部 である。道路地図と似て、虹彩学は弱い臓器や組織だけでなく、それらと他の臓器や体系との関わり、例 えば神経反射なども検出、監視できる。 疾患を理解するためには、神経系、血液循環、腺、栄養状態、組織環境など全臓器に何が生じているかを 知る必要がある。

例えば、虹彩は祖父母、両親、患者へと世代を通して伝えられた多くの状態をモニターできる。それゆえ、 虹彩学には、リスクを評価し、そのターゲットとなりそうな臓器及び組織をモニターすることで癌を予防 する明確な役割がある。癌の領域に興味を持つことにより、癌症例、特に乳癌症例の数千の虹彩をプロフ ァイルする機会が得られた。これにより最も興味ある結果が示された。

もう1つの興味ある分野が解毒である。解毒は今日全ての包括的治療の重要要素である。私の虹彩学による 37年の実践から、虹彩学は身体のいずれの部分で中毒の蓄積を最も早く検出できる最良の方法であろうと 確信している。

発生学の最近の発展により、虹彩/臓器チャートの検証が行われた。何年もの研究や調査の後、我々は、 虹彩チャートにおける臓器の位置は、胎児において臓器が発達するのと正確に同じ位置に現れることを証 明することができた。したがって、虹彩/臓器チャートは我々の身体の遺伝地図といえる。 ロシアや朝鮮の大学で行われた虹彩学のいくつかの実験から、虹彩を研究して消化管、神経系、心臓、そ の他の組織や臓器を分析すると非常にレベルの高い結果が得られることが証明されている。それが私の講 演の主題である。

アーユルベーダにおける癌治療

Mauroof M. Athique博士(アーユルベーダ大学=イギリス)

アーユルベーダは、癌が力を得て増殖しない体を作るのに役立つ処方を提供していること、常に存在する癌の危険性を前に勇気を持つよう励ます理論を与えてくれることを強調。

アーユルベーダは古代の”生活科学”‘であり、主に健康の維持・促進と病気の予防を取り扱う。アーユル ベーダに定められた規則に従わなければ、病気になり早すぎる死に至ることになる。アーユルベーダでは、 疾患タイプ別の治療のために、様々な薬草、食事、養生法が定められている。

癌とは、どのような言語、どのような医療システムにおいても非常に感情的な言葉である。いつでも、そ の言葉は多くの人々に衝撃的で、惨めな、そして解決できない病気のイメージを抱かせる。癌は人生のど の年代の人々にも生じ、癌になるリスクの全くない人はいない。癌は身体の最小レベル、すなわち細部の 分子レベルで生じる。アーユルベーダによると、癌はdas-vikaraと分類され、文字通りojasと呼ばれる身体 物質の病的状態を意味する。

ojasは我々の体の生命の源であり、DNAレベルで細胞生理を支配している。この物質の生化学的確認は行 われていないが、アーユルベーダには、これは物理的に存在するものであり抽象的概念ではないと記述さ れている。これは主に心臓に存在し、体中に移動して全ての組織要素に広がる。これは疾患の攻撃に対す る免疫を与え、既に病気で苦しんでいれば、激しい苦痛を静め、楽で早い治癒を容易にする。それは受精 の瞬間から避けられない死に至るまで個人の権利として存在する。

ojasの病的状態は以下により引き起こされる。

>身体の一部の損傷

>少ない、不適切な、不規則な食事による組織要素の減少、個人の能力を超えた過剰労働、過剰な性的   耽溺、自然な意欲の発現の抑制

>怒り、悲しみ、不安、強欲、身体的及び精神的ストレス

通常の西洋医学では、癌はそれが発現した後に治療し、予防にはほとんど着目しない。手術、化学療法、 放射線療法を用いて表面的な症状を攻撃するが、根底にある原因はそのままである。このような治療は制 御不能なDNAに対して何もできない。癌細胞を制御できない正常細胞であるとは考えておらず、他からの 侵入物と考え、ただ根絶しようとする。

一方アーユルベーダでは、もっと深いレベル、すなわち、感情やDNAを構築する細胞の意識のレベルでア プローチを行う。アーユルベーダは、ojasのレベルで作用して、ama(毒素)を取り除き、agni(代謝活性) を増強させ、身体自身の防御機構を誘発する。

アーユルベーダでは癌をDNAの疾患ではなく、DNAを構築する認識の疾患と考えている。(カasは身体と身 体の基礎をなす意識を調和させ、癌を防ぐために存在する最も強力な物質である。食事、薬草、生活習慣 の(身体的及び情緒的)選択がアーユルベーダの癌と闘う武器である。痛が発現するのを待つのではなく、 痛が生じるのを防ぐことを目的とする。

ojasの促進やその病的状態の修正のために、アーユルベーダの古典にはいくつかの薬草(単独及び併用で) が処方されている。これらは一緒にしてrasayana(若返り薬)又はjivaniya(生命促進薬)と呼ばれている。 これらの薬草を少し挙げれば、amalaki(emblicaofficinale)、haritaki(terminaliachebula)、aSVagandha (withaniasomni托ra)、SataVari(asparagusracemosus)、jivanti(1eptadeniareticulate)、guduci(tinospora cordifolia)、Vidari(1pomeapaniculata)、bala(sidacordifolia)、kancanara(bauhiniavariegate)、khadira (acaciacatechu)、haridra(curcumalonga)などがある。

薬草に加えて、アーユルベーダでは癌と闘うために食事と生活習慣選択に関する厳しい養生を唱えている。 食事は単に何を食べるかだけでなく、西洋では最も実りの多いアプローチと考えられている。今日のスロ ーガンは「果物や野菜をもっと多く食べよ」である。アーユルベーダでは食べるものだけでなく、いつ、 どのように食べるかが重要である。調理し過ぎず、生野菜を食べ過ぎず、野菜の種類を変化させ、食事の 間隔は少なくとも3時間あける。正しい時間に食べる、全て食べて余分なものを食べない、炭火で焼いたも のは食べない。これらがアーユルベーダに定められた忠告の一部である。

薬草、運動、瞑想、睡眠、情緒、倫理的及び社会的健康、その他の生活習慣行動が癌の予防と治療に重要 な役割を演じる。アーユルベーダは、痛が力を得て増殖しない体を作るのに役立つ処方を提供している。

確かに、体の内外にある原因の全てに取り組もうとすることは困難であろう。しかし、アーユルベーダは、 常に存在する癌の危険性を前に勇気を持つよう我々を励ます理論を与えてくれる。

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