化学療法に加えて修飾米ぬかアラビノキシランを摂取することにより、副作用や体力低下を防止しながら化学療法剤の効果を高め、再発した乳がんを寛解状態にまで導いた。
11月、乳がんのため左乳房の切除手術を行った。その後、ホルモン療法を6クール実施し、1998年4月下旬に終了した。同年6月外来受診の際に局所再発が認められた。また、腫瘍マーカーCA15-3は85Uであった。今回はQOLを重視し、通院加療を前提とした化学療法を実施した。化学療法の内容は次のとおりである。
1週目 melphalan 4mg 4日間
2週目 methotrexate 2.5mg 3日間
3週目 procailazine 100mg 3日間
4週目 cyclophosphamide 50mg 連日
これらの化学療法剤の投与に加えて、修飾米ぬかアラビノキシランを1日3g摂取した。1クール目より顕著な効果があらわれ、腫瘍が退縮し、CA15-3は45に低下した。化学療法剤特有の副作用も重篤ではなく、患者は大変喜んでいた。2クール目からは通院加療が可能と考え、1クール終了後、7月20日に退院し、その後合計4クール化学療法を実施した。腫瘍マーカーは順調に低下を続け、4クール終了時にはCA15-3は25となり正常域に入った。<図参照>加療中、特筆すべきことは75歳という高齢にもかかわらず、副作用によるダメージが少なく、通院加療を続けられたということである。これは修飾米ぬかアラビノキシランの作用によるものが大きいと考える。また、化学療法剤の効果が顕著であったことから、免疫強化作用が相乗的に働いたことも示唆される。
化学療法剤の投与中、食欲の低下、脱力感等が軽微であり、体力の低下が認められなかったことは特筆に値する。
乳がんの再発に対して化学療法を行った。化学療法剤の投与にあわせて、免疫力の低下を防ぎ、化学療法剤の効果を高める目的で修飾米ぬかアラビノキシランを摂取してもらった。結果は大変満足できるものであった。化学療法による抗がん効果が効果的にあらわれ、4クールの化学療法により、寛解状態に導入することができた。また、修飾米ぬかアラビノキシランは基礎試験において5FUの投与におけるNK活性低下を防止する作用が報告されており、本患者においても副作用の低下の防止を期待したが、明らかに副作用が防止され、治療中の体力の低下を防ぐことができた。