7月27日、「第1回国際代替医療勉強会」(主催:日本食品機能研究会)がUCLA/DREW大学医学部で開催された。この中で、同大のラム・チラー腫瘍学学部長が「米国のがんの現状と最新治療法」を、同大医学部のマンドー・ゴーナム博士が「米ぬかアラビノキシランのがん治療効果」について講演。また日本からは、帯津良一氏(日本ホリスティック医学協会)が自身の病院で実践している代替医療について紹介した。
米国がん死亡者(男性)の4割が喫煙によるもの
講演の中で、ラム・チラー腫瘍学部長は米国のがん事情について、人口10万人におけるがんの発生率を分類し解説。「死亡率のトップは男女ともに肺がん。がんの原因は、喫煙、遺伝、ウイルス、農薬、大気汚染など複合」と述べ、中でも喫煙によるものは多く、1994年のがん推定死亡者総数は男性が28万3千人で、38%が喫煙によるもの、女性は25万5千人で、23%の割合であることを指摘した。
また現在米国で行われている治療法として外科手術、放射線治療、化学療法に加え、がんの部位を全て取り除いた後に抗がん剤を投与する「アジュバント化学療法」、微生物を用いた「バイオロジカル療法」、「遺伝子療法」などを紹介した。
利用頻度のトップは米ぬかアラビノキシラン、次いでサメ軟骨、プロポリス
また日本ホリスティック医学協会の帯津良一会長は、「西洋医療、東洋医療、代替医療で、患者一人ひとりにどのような治療がふさわしいかを考える。日本でもここ2年ほどの間に代替医療関連の団体が幾つか設立し、次第に定着しつつある」とし、自身の病院で実践している代替療法を紹介。「鍼灸、気功、玄米、薬粥を中心とした食事療法や心理療法、アロマテラピー、ホメオパシー、健康食品など行っている」と述べた。 同院での代替療法としての健康食品の利用頻度は、今年7月20日現在、89名の入院患者のうち健康食品を利用している患者(47名)の中で、トップが米ぬかアラビノキシラン(MGN-3)で29人、次いでサメ軟骨で12人、プロポリスで8人という。
疾病治癒に「心」が大きくかかわる
また、マンドー・ゴーナム博士による「米ぬかアラビノキシランのがん治療効果」についての講演では、白血球の15%を占め、がん細胞やウイルスを死滅させる働きを持つといわれるナチュラル・キラー(NK)細胞の役割について言及。「米ぬかに含まれるヘミセルロース(MGN-3)には強力な免疫作用がある」とし、「1992年に24人を対象に1日の投与量を15mg、30mg、45mgと3つのグループに分けて調べたところ、30mgと45mgのグループは1週間でNK細胞の活性化が見られた。
1カ月後も活動数値は上昇し、2カ月後に最高値に達した」など、これまでに行った臨床試験の結果を報告した。 また、これまでMGN-3で良好な結果が得られているが、「すべての患者が早期反応を示しているわけではなく、中にはNK細胞の活性化に3、4カ月近くかかる患者もいる」と述べ、この違いについて、「ストレスが大きく影響する。多くの医者が頭と体を切り離して考えているが、それは間違い。研究室の動物実験で、ストレスが高くなると、NK細胞の活動が弱まることが証明されている」した。