イギリス、ドイツなどでアトピー治療薬として開発。アトピー皮膚炎患者のGLAは健常者の半分
日本でも馴染みの深い月見草(正式名:オオマツヨイグサ・マツヨイグサ)にはγ-リノレン酸(GLA)が含まれており、イギリス、ドイツ、フランスなどではアトピー疾患者の治療に用いられています。
このγ-リノレン酸を用いてアトピー治療薬「GLA」を開発したのは、不飽和脂肪酸の研究に関する世界的権威、デヴィッド・ホロビン博士(カナダ・モントリオール大学教授)です。博士は月見草の種子油を経口投与するという新しい治療法を考案しました。
25年にわたる博士の研究の中で、アトピー皮膚炎患者の血中にはγ-リノレン酸(GLA)が健常者の50%しかないことが判明しました。またアトピー体質の母親の母乳中に含まれるγ-リノレン酸も健常者の母親の母乳の50%以下ということも明らかになりました。そのため博士は自然界に存在する植物からγ-リノレン酸の補給を考え、月見草に着目しました。そして月見草の種子に含まれるGLAの抽出に成功しました。
アトピー治療に対するγ-リノレン酸の有効性については、ブリストル大学における臨床試験でも立証されています。この試験で、軽度から中位度のアトピー患者、127人の子供と240人の成人にGLAを投与したところ、特にかゆみに効果があったことが報告されています。また重症患者179人に投与した試験でも116人に改善がみられました。