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2020.7.28機能性表示素材、主要企業の展開動向~健康博ウェビナー

2020年7月28日(木)、健康博ウェビナーが開催された。この中から、北川正明氏(TPCマーケティングリサーチ株式会社 リサ・ソリューション事業部リサーチ担当)による講演「機能性表示素材の展開の方向性と各社の展開動向事例」を取り上げる。

食物繊維とコラーゲンが主力素材

2019年度、機能性食品素材の市場規模は、前年度比3.6%増で推移し、2015年の機能性表示食品制度の開始から市場は拡大基調を維持している。

ここ数年はエビデンスの拡充やSR(システマティック・レビュー)作成の効率化など、制度への対応強化も業界全体で力を入れており、今後も大手から中小まで参入の強化を推進することが推測されるという。

今回のセミナーでは、2020年6月に同社より発売された「機能性食品素材の市場調査(機能性成分25素材が調査対象)」を元に、市場全体と食物繊維・コラーゲン・キトサン・DHA&EPA・乳酸菌・プラセンタ・ギャバのこれまでと今後の市場動向予測を解説。

まず機能性表示成分が市場でどのような製品で展開されているかについて。現状は31.6%が飲料、30.4%が加工食品となっているが、食物繊維を除く24素材で検討すると63.1%が錠剤・顆粒・カプセルのいわゆるサプリメント形態であるという。

つまり、機能性成分の中でも食物繊維とコラーゲンが圧倒的な主力素材で、この2つは飲料か加工食品で展開されているが、それ以外の多くの素材はいわゆるサプリメント形態で市場展開されている。

コラーゲンの独自素材が期待

【食物繊維】
食物繊維については、難消化性デキストリン、イヌリン、グァーガム分解物、サイリウムなどの素材があるが、難消化性デキストリンが機能性表示食品市場を牽引していると言っても過言ではないという。

トップメーカーは松谷化学工業で、2019年7月からは「糖及び脂肪の吸収抑制に関するシステマティックレビュー」の情報提供を開始。フジ日本精糖では海外に増設目的の工場を設立し、海外への事業拡大もみられるという。

2019年度は前年比3.7%増の3万850tで推移。最新動向としては、他成分との併用によって相乗効果が期待できるような研究が増えているという。

【コラーゲン】
コラーゲンについては、世界的に需要が拡大しているため、生産能力を拡大する動きが各社活発になっている。2019年度は前年比3.8%増の5.150tで推移。

美容ドリンクやサプリメント、ゼリーなどを中心にコラーゲン配合商品の出荷量が増加し市場規模は拡大傾向、さらにインバウンドニーズが追い風となった。

また、各社ともコラーゲンによる新たな機能性研究にも力を入れている。例えば、「毛髪の太さを改善」「疲労回復への有効性」「膝関節の摩擦音軽減」といった研究で、これらによってさらなるコラーゲンの独自素材が期待されているという。

【DHA&EPA】
DHA&EPAについては、マルハニチロや日本水産などが牽引しており、関連企業もエビデンスの強化を図っている。

2019年度は前年比2.2%増の235tで推移。機能性に関するものとしては、アレルギー性結膜炎への改善効果が確認された他、簡単に調理できる粉末魚油の開発、不安を和らげる効果の開発などが新たに確認されているという。

【乳酸菌】
乳酸菌については、腸内環境を整える機能を謳ったものだけでなく、血圧・コレステロール値の低下やアレルギー症状の軽減といった機能にも人気が高まっている。

また、死菌であることを特徴とした乳酸菌素材が増加し、配合用途が多様化しているという。2019年度は前年比15.0%増の230tで推移。シールド乳酸菌やスマート乳酸菌など、免疫と関係するものも人気。

【GABA】
GABAについては、トップメーカーであるファーマーズは乳酸菌を用いた発酵法を確立し大量製造を実現させている。また同社は「Pharma GABA」のハラル認証を取得し、タイで現地飲料メーカーとの開発を行い2020年内に発売を予定しているという。

オリザ油化では、GABAが含まれる植物エキスの製品化を進めている。2019年度は前年比5.0%増の21tで推移。今後もストレスケアや睡眠の向上などの分野で出荷量拡大が見込まれているという。

【プラセンタ】
プラセンタについては、美肌効果はもちろん慢性炎症抑制など新たな機能性の研究も進められている。2019年度は前年比2.8%増の74tで推移。現在はインナービューティーアイテムとしての展開が主流だが、これからは加工食品などへの展開も期待されているという。

機能性食品素材、価格競争に陥りがち

このように、主要成分であってもさらなる市場拡大を目指した動きが見られるが、機能性食品素材はどうしても価格競争に陥りがちなデメリットがあるという。

この問題点を打開するために考えられるのが「一般食品の健康食品化」「アレルギー患者への対応」「ハラル認証」の3つ。

具体的には、機能性素材を用いて一般食品の素材や風味を損なうことなく健康食品化ができればヒットする商品は多く、シールド乳酸菌や、安定化DHA・EPAなどは今後そのような展開が期待されている。

今後、アレルギー人口がますます増加することが予測されるため、アレルギー患者でも安心して食べられる機能性成分は確実にニーズが高まるのではないか。

また、イスラム教徒は増加しているので、ハラル認証に対応した機能性素材の開発が望まれている。

2020年は新型コロナウイルスの影響で多くの素材が苦戦を強いられる見通しだが、乳酸菌をはじめ「免疫力」に関連する素材はまだ需要が拡大しているため、その辺りをヒントにしてもらえたら、とまとめた。

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