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2021.6.9機能性表示食品の未来と消費者の動向~ウエルネスライフジャパンセミナー

2021年6月9日(水)~11日(金)、東京ビッグサイト青海会場にて「ウエルネスライフジャパン2021」が開催された。この中から、五十嵐 麻衣子氏(消費者庁 食品表示企画課 課長)の講演「拡大する機能性表示食品の未来と消費者の動向について」を取り上げる。

生鮮食品も機能性表示が可能


2015年に機能性表示食品制度がスタートし、その市場規模は順調に拡大していると、五十嵐氏。

食品の効能を表示することができる先発の制度、特定保健用食品制度(以下トクホ)と比較しても健康食品に参入したい事業者のハードルを下げた。

消費者がこれまで以上に「健康に貢献する食品を自発的に選び、セルフメディケーションに取り組むこと」など、機能性表示食品発足の目的についても概ね遂行できているのではないか、と話す。

実際トクホと比較しても、登録件数は飛躍的に伸びていて、制度開始とともに事業者側も管理している消費者庁側にもノウハウが順調に蓄積されてきている。

また、同業他社の成功事例をみて、事業者側もより積極的に制度に参入することや新たは商品開発の意欲が高まっているといった相乗効果もある。

機能性表示食品制度で最も優れていることの一つが「生鮮食品」においても同制度が活用できる点、と五十嵐氏。

「食で健康」意識の高揚に十分貢献

機能性表示食品制度発足まではいわゆる健康食品の多くが錠剤・カプセルのサプリメント形状の商品であった。

機能性表示食品制度においては約半数がサプリメントタイプであるものの、残りは加工食品と生鮮食品であり、より「食品」の形態で健康を意識した商品を消費者が選べるようになっている。

現時点で全体の登録商品の数が3658件、このうちサプリメントタイプは1869件、加工食品が1676件、生鮮食品が103件(内訳は農産物が92件、水産物が5件、畜産物が6件)で、当初の目的である「食で健康に」の意識を高めることに十分に貢献しているのではないか、と五十嵐氏。

機能性関与成分の種類も続々と増えており、令和2年に新規で届出された主な成分には「プーアル茶由来没食子酸」「γオリザノール」「アリイン(L-アリイン)」「プラズマ乳酸菌」「キナ酸」などがある。

制度上必要な見直しを随時実施

制度もこの5年で数回にわたりブラッシュアップされ、より透明性が高くわかりやすいものへと進化している。

そのために欠かせないのが、消費者庁が取り組んでいる各種調査や検証事業である。

例えば平成27年度以降毎年「商品の買い上げ調査」「機能性関与成分の分析方法の検証」「消費者以降等に関する調査」「研究レビューの検証」を行なっている。

平成28年は「食品表示に関する消費者意識調査」、平成29年には「健康被害情報の収集等に関する調査」や「機能性関与成分の事後における分析実施状況の調査」を行っている。

さらに、平成30年には「機能性表示食品における軽症者データの取り扱いに関する調査・検討」など検証事業を重ねていくことで、制度上必要な見直しを随時行っている、と五十嵐氏。

これらを踏まえ、2020年の4月からは「事後チェック指針」の運用が開始され、特に広告において事業者が表現のいき過ぎを犯さないよう注意ポイントを7つにまとめた。

そして「科学的根拠」についてもより明確なガイドラインに改善し、事業者の予見性を高め、事業者がより自主点検・自主規制しやすいものになっている。

「消費者基本計画」に基づいて推進


また、今後の展開については、データベースの利便性の向上については常に精度を高めていく予定である。

これまでの検証事業は主に「安全性の確保」「機能性の科学的根拠」「品質管理」の3つが最重要課題であった。

しかし、ようやく「機能性表示食品の消費者への普及啓蒙の推進」「適正な表示による消費者への情報提供」「科学的根拠の質の向上」というフェーズに変わってきている、と五十嵐氏。

消費者庁としてシンポジウムの開催やWEBを使った情報発信、政府広告や広報には今後より積極的に力を入れていきたいという。

またその方向性については原則として「消費者基本計画」に基づいて推進していくことになる。

2020年から全面施行されている食品表示法に基づく新たな食品表示制度を適切に運用していくとともに、消費者のさらなる食品表示の活用に向け、戦略的に普及に取り組み、消費者被害を全面的に防止していきたいと話した。

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