1994年10月頃から咳きがひどく、時々血痰を見たことから近医にて診察を受けた。1994年12月肺腺がんと診断され、直ちに手術を行った。手術により患部は除去され、転移も認められなかったことから、抗がん剤の投与も放射線治療も行わなかった。その後、定期的な検診以外は何も行なっていなかった。1998年9月の検診で右肺と左肺にがんの転移が発見された。転移が広範囲に広がっていることから、手術および放射線治療が不可能と判断され、化学療法の投与を勧められたが副作用による体力の低下を懸念して拒否し、自己治癒力を高める治療を求めて1998年10月29日T医院を受診した。腸の状態の改善と半断食を主な考え方とするT医院特有の食療法による治療を行った。機能性食品として修飾米ぬかアラビノキシランを1日4g(6日間連続摂取、1日休みを繰り返した)、植物性酵素食品、玄米加工食品を用いた。
腫瘍マーカーCEA(正常値2.8以下)は1998年10月29日には12.7、7月7日には2.3と減少した。現在、映像的所見においても肉眼的な所見においてもほとんど腫瘍の判別が不可能な程度に改善されている。全身状態は自覚的にも他覚的にも安定しており、生活をエンジョイしている。
食療法による自己治癒力の高まりが肺腺がんの退縮につながった例である。化学療法剤や放射線による治療を行わなかったことが結果的には自己治癒力の温存に役立ち、修飾米ぬかアラビノキシランなどの免疫賦活力が充分に発揮されたものと考える。