1988年6月20日、呼吸困難となりS中央病院へ入院。左右の肺に胸水が溜まっており、手術で大量の胸水を摘出した。検査の結果、肺腺がんと診断されてそのまま4ヶ月入院したのち、退院した。1989年に治療目的で再入院して抗がん剤、抗生剤治療、カテーテルで直接肺動脈に注入した。そのまま1989年と1990年1月~1992年11月までの約3年間連続して入退院を繰り返した。1992年11月に退院したものの、病状は良くなっていた訳ではなかった。1994年と1995年に肺炎を併発し余命3ヶ月と告げられていた。1994年5月には、宗教団体「M教」に入信した。1995年5月から病院での治療を拒否し通院を中止。だが、その頃から胸水が再び貯留し始めた為、通院するようにはなったが自然食品を食する程度であった。1995年末頃から今度は血便が現れたがそのまま無視して治療は行わなかった。1998年12月には血便は頻繁にしかも大量になっていった。1999年7月11日に当院受診。当院においては半断食を導入とする食療法に免疫強化の目的で修飾米ぬかアラビノキシランを1日4gと酵素食品を加えた治療を行った。
血便はなくなり、易疲労改善、肩こり、腰痛、背筋痛がすべて改善。1999年11月29日現在、レントゲン撮影では肺に丸い影がいくつもみられた。一応、悪性腫瘍ということになっているが腫瘍マーカーCEA1.4、SLX36.4(正常値38以下)ある。
この患者の病状の経過は誠に特異である。組織診やレントゲン撮影では間違いなく悪性腫瘍と確認できるが、患者の意識の力で乗り越えてきたのでないかと思われる。食養生や修飾米ぬかアラビノキシランで免疫強化を行ったことにより、血便や身体の痛みの改善や腫瘍マーカーの正常化に繋がったものと思われるが、現状は悪性腫瘍が確認できる状態のため、今後の推移を慎重に観察する必要がある。当院で行った治療は意識を包む肉体の抵抗力を強化して改善へ向かわせたに過ぎない。本症例の主役は精神力そのものである。