B型肝炎ウィルスのキャリアーであったが、1996年6月、福岡県K病院で活動型慢性肝炎(HBeAg+,HBeAb-)と診断された。GOT85, GPT93であった。直ちに入院し、安静と強力ミノファーゲンCの投与により小康を得て、1997年4月退院。その後GOT50~70, GPT55~80で推移していたが、1997年11月、発熱と強い疲労感からOクリニックに来診。腫瘍マーカーCA19-9が78に上昇しており、精査の結果、肝臓に2ヶ所腫瘍が発見された。1998年1月より修飾米ぬかアラビノキシランを1日3g (1g/1回)摂取し始めた。摂取開始とともに強い疲労感が軽減され、3ヶ月後(1998年4月)にはCA19-9は66に低下した。一方、HBeAgが徐々に低下し、検出されなくなり、HBeAbの上昇が認められている。また、HBsAgは修飾米ぬかアラビノキシラン摂取開始時には47.9であったが、3ヶ月後には36.9と低下し、HBeAbが上昇しつつある。現在トランスアミナーゼ活性はGOT41, GPT37と安定してきている。
<トランスアミナーゼ活性の変化・図>
修飾米ぬかアラビノキシランを摂取し始めて、先ず、疲労感が軽減され、食欲が増進した。肝臓の鈍痛も軽くなった。
B型肝炎から肝癌へ移行した例であったが、MGN-3摂取開始とともに腫瘍マーカーが低下し始め、3ヶ月の間に順調に低下した。4ヶ月後には腫瘍の一つは消失していた。また、B型肝炎についてはHBe抗原が消失し、HBe抗体の上昇が認められている。またHBs抗原も減少しつつある。これはMGN-3による免疫能の向上の結果を示唆するものであり、今後更にMGN-3の摂取を継続することにより、慢性肝炎から解放され、肝癌の再発を防止することができるものと期待される。