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1999.7.25第1回「JAFRA日本食品機能研究会ワークショップ」をアメリカ・ロサンゼルスで開催

日本食品機能研究会(JAFRA)は7月25日から29日に第1回日本食品機能研究会ワークショップUSA(団長:日本ホリスティック医学協会会長 帯津良一博士)をロサンゼルスで開催しました。

初めての試みとなった5日間のセミナーは医師、薬剤師、薬品業者など全国から総勢37名の参加者が集まり、様々な現場から集まった専門家たちの情報交換の場として大変貴重な時間であり「是非来年も!」という声も出るなど大盛況となりました。

アメリカの流通事情視察やDongguk Royal UniversityでのセミナーやUniversity of Southern Californiaにおける講義がプログラムされ、またUCLA/DREW University では1st International Workshop on Alternative Medicine が開催され、帯津三敬病院の帯津良一博士による講義やUCLA/DREW University のDr. Ghoneumの発表、研究室見学等が行われました。講演の概要は以下の通りです。

ラム・チラ-学部長(UCLA/DREW University 腫瘍学学部長)

私は、米国のがん現状と最新の治療法について紹介する。 米国に多いがんは下記の通り。いずれも人口10万人における男性のがんの発生率で白人と黒人に分けて表にした。頭、首のがんが黒人に多いのは、喫煙者に黒人が多いことと比例している。全体的に喫煙は減少しているが、都市部の若年層には多い。

 【がん】

がんの種類白人(人)黒人(人)
前立腺121163
81122
直腸5960
膀胱3224
リンパ腺2219

女性のがんについては乳がんが最も多く白人、黒人ともに多いのは1960年から1980年代にかけて母乳による授乳の減少が影響しているといえる。 死亡率のトップは、男女ともに肺がん。前立腺がんが比較的低いのは、「悪性が少ない」「進行が遅い」という理由がある。また、70,80歳代で前立腺がんに罹患してもそれが直接の原因で死亡することはほとんどない。

がんの要因は、喫煙、遺伝、ダイエット、ホルモン(特に女性)、ウィルス、免疫抑制剤、職業病、農薬、太陽光線、その他複合。主要因と言われる喫煙を例にとれば、1994年のがんによる推定死亡者総数は男性が28万3000人、うち38%が喫煙によるものと見られており、女性は25万5000人で23%。このように肺はもちろん、直腸、膀胱、食道、首、頭のがんも喫煙と大きく関係しており、これは最もコントロールしやすいがん要因と言えるだろう。このうちのダイエットとホルモンは代替医療の分野と言える。

白人と黒人のそれぞれ5年生存率を比較してみると白人に比べ黒人の生存率が低いのは、末期になってから病院に来る患者が多いからだ。また、高い喫煙率も治療の障害になっている。

治療法は、外科手術、放射線治療、化学療法のほか、全部がんを取り除いた後に抗癌剤を投与する「アジュバント化学療法」、手術前と後に抗がん剤を投与する「ネオアジュバント化学療法」、手術中に埋め込む「Brachy療法」などを行っている。「アジュバント化学療法」は特に、乳がんに高い治療効果が見られ、「ネオアジュバント化学療法」は末期患者に使われている。「Brachy療法」のケースはまだ非常に少ないが、手術中に放射線を発するものを体の中に埋め込むというものだ。

さらに、新しいアプローチとしてRediosensitizers(放射線治療と化学療法を併用することでがんが放射線に敏感になることを利用した治療)や免疫療法(免疫力を高める物質の投与および患者自身から取り出した細胞を抗癌剤の高い細胞に作り変えてそれを投与)、腫瘍ワクチン(患者の腫瘍を取り出してそれでワクチンを作り患者の身体に戻す)等、その他としてはモノクロナール抗体や遺伝子療法などの治療法が開発されている。

中でももっとも期待されているのが「遺伝子療法」で、頭、首、直腸、肺、卵巣といったあらゆるがんに効果がみられるという。さらに今話題となっているのは「Angiogensesi Inhibition」。がんは2mmほどの大きさになると、そこに栄養を運ぶために血管が必要となる。その血管の発生を阻止するある種のたんぱく質(MMP)が発見された。この血管発生阻止役は現在フェーズ3の臨床実験段階にある。

遺伝子治療など新しい治療法はまだ承認されておらず、あくまでも実験段階であることから参加を希望すれば、この治療を受けることが出来るが治療費がいくらかかるか今はわからない。

帯津 良一会長(日本ホリスティック医学協会)

<ホリスティックをどう考えるか>
ホリスティックなアプローチによるがん治療を目指す私の病院では、ホリスティックを「場」の医学、ある空間のベクトルポテンシャルを対象にする。 従来の医療が人の内臓ひとつずつを見ていくのに対し、人体と取り巻く環境全てを点の集合体と考え、健康をはかるうえで体と環境のつながりすべてを見るのがホリスティックな考え方だ。図で描けば既存医療と代替医療がホリスティックの上に乗っているという具合。心、気功、食事が治療の土台となり、その上で代替医療、東洋医学、西洋医学の中からそれぞれどんな治療を行うかを患者一人ひとりについて考える。心の持ち方だが、病気と闘っていくうえで「生きがい」が重要になってくる。そこで大切になってくるのは「死生観」だ。患者さんにそういった話もしている。

<入院患者の人気健康食品は>
1999年7月20日現在の入院患者89名のうち健康食品を服用している患者47名のデーターからトップ10位の健康食品は次の通りである。

1位アラビノキシラン/MGN-329名
2位サメの軟骨12名
3位プロポリス8名
4位ビタミンC7名
5位AHCC3名
6位アガリクス3名
7位アクチノン3名
8位キトサン2名
9位タヒボ茶2名
10位スピルリナ2名

※表から1人が何種類も服用しているのがわかる。

<日本での浸透状況は>
現在、私の病院のがん患者初診外来数は年間800~900名。84年にはわずか34名だったのが、90年に153名、91年に403名と確実に増えてきている。 また、日本ではここ2年ぐらいに代替医療関連の団体がいくつか設立され、各地でシンポジウムなどを開いている。日本の国会の中にも代替医療の勉強会が出来た。こういったことから見ても、日本に代替医療が定着してきたことがわかる。

マンドゥー・ゴーナム免疫学研究長

25年前に発見された白血球の15%を占めるナチュラル・キラー(NK)細胞は、がん細胞やウイルス細胞を殺す働きをもち、がん細胞に対する防衛第一線だ。
NK細胞はまず、がん細胞を見つけて結合する。次に付着したところから細胞内の顆粒体(毒性の化学物質でこれががん細胞を殺す)をピストルの銃弾のように放射し、がん細胞に穴をあける。この顆粒体は毒性の化学物質を含んでおり、5分もしないうちにがんを殺す。これをわれわれは「死の接吻」と呼んでいる。

しかし、がん細胞にも白血球を殺す働きがある。がん細胞が手を伸ばすような形で白血球を取り入れて、飲み込み消化してしまう。もしNK細胞の活動が弱ければ、がん細胞に抑圧されてしまうというわけだ。NKが食われるか、がんが食われるか、弱肉強食の世界。いわば「細胞の戦争」といえるだろう。 そこで体内の戦士「NK細胞」の活性化をはかると注目されているのがMGN-3。米ぬかの層に含まれるヘミセルロース(主成分:アラビノキシラン)に強力な免疫作用がある。米ぬかの分子は大きく、それをきのこから抽出した酵素で低分子化したものがMGN-3だ。

1992年の動物実験で、えさに混ぜて経口投与したところ高い効果があった。そこで24名を対象に1日の投与量を15mg/kg、30mg/kg、45mg/kgの3つのグループに分けて調べたところ、「30」と「45」のグループは1週間でNK細胞の活性が見られた。1ヵ月後も活性数値は上昇し、2ヵ月後に最高値に達した。 しかし、免疫療法だけでがんを治すことはできない。まず外科手術、放射線療法、化学療法といった既存療法でがん細胞を取り除く。しかし、既存医学では抗がん剤などに抵抗力の強いがん細胞がどうしても生き残る。そこで免疫療法の出番となる。化学療法などでがん細胞が最小になった時に始めるのが最も効果的である。MGN-3などで活性化されたNK細胞は、抵抗力が強かったりあまりにも小さくて見つけられないといった隠れたがん細胞を攻撃する「特別部隊」のようなものだ。1ヶ月も活性数値は上昇し、2ヵ月後に最高値に達した。
MGN-3を投与した107例のうちいくつかを紹介する。

患者 C.E 51歳 女性 白人
94年12月 乳がんと診断される
95年1月  ホルモン療法開始
95年2月  放射線治療開始
95年3月  MGN-3投与開始
7月から現在にいたるまで乳がん検査で腫瘍はネガティブ

患者 C.J 68歳 男性 白人
95年7月 前立腺がんと診断されホルモン療法開始
96年1月 冷却手術をしてホルモン療法中止
      MGN-3開始
現在にいたるまで再発の兆候なし
このほか、血液のがん「多発性骨髄腫」11名、結腸がん5名、卵巣がん5名の患者に投与し1,2週間で反応が出ているケースも報告されている。

しかし、すべての患者が早期発見を示しているわけではなく、中にはNK細胞の活性化に1~3ヶ月近くかかる患者もいる。なぜそのような違いが出てくるかは「ストレス」によるところが大きい。多くの医者が「頭」と「体」を切り離して考えているがそれは間違いだ。研究室の動物実験でストレスが高くなると、NK細胞の活動が弱まることが証明されている。また、喫煙者や汚染された環境に長年いた人の場合も効果が効果が現れるのに時間がかかる。

逆にストレスを解消し、MGN-3投与で免疫力を高めれば、1つのNK細胞がその4倍近くあるがん細胞をいっきに3つも殺すことが出来る。また、がん患者のNK細胞にはピストルの弾の役割をする顆粒体がなくなっていることがよくある。MGN-3には顆粒体再生の働きもあるほか、ほかのがん攻撃部隊「マクロファージ」「T細胞」「B細胞」の値を上げることも出来る。

MGN-3の利点は、一度活性のレベルが上がると4,5年はその状態を保てるほか、免疫調整物質なので毒性もなく安全性はきわめて高い。

アルバート・ジョーダン医師

米国で総人口および総エイズ患者のうち白人、黒人、ヒスパニック系のそれぞれ占める割合は次の表の通りであり、黒人間にエイズが広まっていることがわかる。

白人黒人ヒスパック
総人口のうち27%12%12%
総エイズ患者のうち33%45%21%

感染経路を見てみると、白人のトップは「同性またはバイセクシュアルとの性交」で77.8%、黒人は「麻薬の静注注射」で41%、「同性との性交」は38.7%、ヒスパニック系は「同性との性交」は45.8%、「麻薬の静注注射」は40.0%となっている。

25歳から44歳の黒人女性のエイズによる死亡件数は、1995年をピークに減少傾向にあるものの、がんをはるかに上回る。地域別に見るとロサンゼルス郡が多い。同郡を例に見ると、男性の羅患率はアジア系が最も低く、ヒスパニック、白人、黒人と続く。女性はアジア系、白人、ヒスパニック、黒人の順。全体的には減少傾向にあり、AZTといった薬の開発で死亡率は下がっている。しかし、都市圏に住む13歳から29歳に感染者の増加が見られる。ロサンゼルス郡で1990年から1997年にかけてこの年代の女性の感染経路を調べたところ、「異性との性交」が55%と最も高く、「麻薬の静注注射」21%、「輸血」7%だった。

薬には、健康な細胞を守る薬とHIVに破壊された細胞を増やさないようにする2種類がある。現在、認可されたものは16種類でエイズ発症を遅らせるには、どの薬をいつ投与し始めるかが重要な鍵をにぎっている。薬をきちんと取っていれば抵抗力は増し、逆に間違えればウィルスが薬への抵抗力を培い増殖していく。

代替医療では、ハーブがよく使われている。ロサンゼルスのサウスセントラル地区では「Curcumen」というハーブの利用率が高い。また、ウエストハリウッドではタヒチのNONIジュース、サメ軟骨、ビタミン12、カロチン、亜鉛、マグネシウムでいずれも免疫力を高めるということから服用している人が多い。ダウンタウンにはエイズリサーチ同盟という団体が漢方を使ったエイズ治療を研究している。

シェリー・ルイス医師

現在、ダラス地区ではカイロ、ホメオパシー、マッサージ、ヨガといった代替医療への関心が高まっている。特に、ストレスを下げるメディテーション、イメージ療法、祈りといった療法が痛みの緩和などの治療に盛んに使われている。

また、ホルモン治療の副作用を恐れ、更年期障害の治療にハーブを利用する人も増えてきている。最近、プラシボ(偽薬)の効果が注目されてきているように「これをやれば治る」という気持ちが病気の克服に大きく影響している。やはり治療には「心」と「体」が必要と強く思う。

やはり、元気な細胞まで殺してしまう化学療法は延命にはなっても完治には至らないと考えるが「化学療法を患者に止めろ」とは決して言わない。あくまでも患者の決断をサポートするし、化学療法を受けている場合、MGN-3を併用することで肝臓や腎臓の働きを助けることが出来ると考えている。下記にMGN-3を使用した2名の症例を紹介する。

<前立腺がん 男性>
  1992年 前立腺がん発見
    10月 手術で摘出
        PSA値0.3から5.4へ上昇
1999年2月 PSA7.1に更に上昇
        MGN-3開始
     3月  PSA5.0に低下
     6月  PSA4.63まで低下
        現在は元気に過ごしている

<転移性皮膚がん70歳女性>
  1998年 転移性皮膚がん発見
       余命2ヶ月と診断
       抗がん剤投与で白血球数減少のため中止
  1999年 MGN-3の投与で進行停止
       白血球数も上昇

スチュアート・リンゼイ医師

私の薬局にはあらゆる治療を試みたがどれもだめで藁にもすがるそんな気持ちの末期がん患者が訪れる。このような末期がん患者10名にMGN-3投与を勧めている。いずれも症状の改善が見られ生活の質も向上し、仕事に復帰できた人もいる。

<MGN-3投与データー 60歳男性>
  1997年  背中の小さな腫瘍を手術で摘出
        抗がん剤治療開始
1998年5月 疲労感、呼吸困難で入院、末期宣告
     12月 MGN-3投与(3g/day)
        その後3週間で熱が下がる
        6週間後痛みがかなり治まる
        QOLが改善され、平穏な生活を送っている

<MGN-3投与データー 白人女性>
1999年1月 食事中に倒れる
        病院で末期の直腸がんを発見(肝臓、肺転移)
        MGN-3投与開始
      4月 12週間のMGN-3投与後、検査の結果腫瘍の50%が消失
        QOLが改善され、平穏な生活を送っている

ルビオ博士

アメリカにおいて代替医療に対する関心は年々高まっており、1998年11月には米国の医学誌「Journal of Medical Association」が代替医療の特集記事を組んでいる。最近の科学的根拠に基づく代替医療の効果が評価されているのである。

アメリカ人が東洋医学的治療(針、生薬)にかける費用は自己負担額として年間122億ドルにもなる。最近では国民が東洋医学治療機関を訪れる回数は、西洋医学の病院などに通う回数に勝っている。

針がPMS、うつ病、筋骨格痛などの症状に効果を示しているという研究結果が出ている。また、薬物中毒にも効果があるとされ、フロリダ州の薬物中毒者のためのセンターでは、患者の更正のために「刑務所に行くか」あるいは「針治療を受けるか」の選択肢が与えられる。また、保険未加入国民のためのフリークリニックにおいても、針や中国漢方の治療が始まり、その人気も高い。

アメリカにおいて、代替医療の地位の向上は、国からの公の予算が増えていることや軍が代替医療を取り入れていることなどからもわかる。近年ではNHIやその他の医療機関が代替医療の施設や研究グループを設立しており、医学生、医師に対する代替医療の教育プログラムも確立され始めている。また、マスコミなども東洋医学の浸透に伴い、統合医療の重要性について数多く報道をしており、医療のあり方を追及することは必須である。実際、明日はケーブルテレビの取材を受けることになっており、フリークリニックにおける治療の現状について6時間ドキュメンタリー番組が予定されている。

ソン医師

私のクリニックではオリエンタルメディスン針を用いた治療を行っている。次に胆石患者の症例について紹介する。

<40歳女性 ヒスパニック系>
2週間ほど前から肝臓部分に痛みを感じ、あるクリニックを受診したところ腎臓に炎症がある(腎臓結石の疑い)と診断された。自覚症状としては便秘や腰痛、手足の冷え、動悸、息切れ、めまいや抜け毛もみられた。また食欲もなく、顔や体に吹き出物が出て舌が赤く、黄色い苔に覆われていた。

私は、患者が香辛料を多くとる食生活のため、体に熱を持ってしまい内蔵に悪影響を与えていると考えた。その熱が胆石を作り、便秘やそれに付随する症状を引き起こし、その石が代謝を妨げ、痛みを起こすというメカニズムだ。手足の冷えは肝臓に熱を持っていることから起こり、ヒートシンドロームといわれている症状と考えられる。そこで、三金湯の投与、オリエンタルメディスン針による針治療、そして香辛料を控え、野菜を積極的に摂取するなど食生活の指導を行った。

その結果、痛みはすぐに取れ1週間で吹き出物が消え、尿と便に大量の砂が排出された。副作用はなく手術も不要で現在は、健康な生活を送っている。

キム医師

私のクリニックではオリエンタルメディスン針を用いた治療を行っている。次にオリエンタルメディスン、針、気功を用いた腰痛の症例について紹介する。

<29歳 主婦>
6ヶ月前の出産以降、腰痛が激しくなった。近くのクリニックを受診したが様々な検査結果より異常なしと診断された。1週間に1度しか排便がない重い便秘症であり、眠りが浅く疲れやすい状態が続いていた。また、のどが渇きやすく、舌が赤くはれ黄色の苔に覆われていた。さらに不整脈もあった。

俗に腰痛は腎不全が原因であることが多いが、検査結果よりこの患者に異常は認められなかった。そこで私は、東洋医学の見地から「気」に着目した。便秘は脾臓のエネルギー不足により大腸の動きが弱まることから起こる。また、この患者は眠りが浅い、疲れやすいという症状から気と血液の欠乏、血液の滞りなどが原因と考えられ、私は脾臓の気の強化を主に温湿布や中国の伝統マッサージ、針や生薬の投与を行った。最初の週は週3回、その後は週2回のペースで治療を行った結果、全ての症状が著しく改善した。

ミシュラ医師

南カリフォルニア医科大学における相補代替医療(Complementary Alternative Medicine-CAM)の教育プログラムについて紹介する。 現在、米国の治療薬、医療技術は世界トップであるが、年間1兆ドルの費用がかかるという医療システムにおいては多くの問題がある。さらに国民のうち4400万人は健康保険を持っていない現状がある。

アメリカでの代替医療の利用率は、1990年38%、1997年42.1%と6億2900万人の国民が代替医療を利用していることが分かる。さらに、白人よりも少数民族グループの方が代替医療を多く利用する傾向にあり、人口の58.3%は代替医療費用を自費で負担している。

代替医療の分類としては①治療機関での代替システム(針、アーユルヴェーダなど)②電気を使うもの(電子針、電気刺激治療など)③食事療法(ライフスタイル改善、マクロバイオテックスなど)④漢方治療⑤マニュアルセラピー⑥生物学的・薬学的セラピー⑦心と体のコントロールセラピーの7種類があげられる。

アメリカの医科大学は125校あり、そのうち64%にあたる大学で何らかの代替医療カリキュラムが組まれている。CAMプログラムを実施している医科大学の割合は、私立大学の方が多く、また実施されているCAMプログラムは、老化やアレルギー、がん、慢性疲労を治療対象症状とした、はりや指圧、アロマセラピー、アーユルヴェーダが主で、医科大学は「医学専門家にとってさらにCAMの教育は必要であり、政府はCAMの研究をサポートすべき」との見解を示している。

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